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アフリカ舞踊家に‘奴隷労働’させたセヌリ党 ホン・ムンジョン事務総長

登録:2014-02-10 20:38 修正:2014-02-11 07:28
アフリカ ブルキナファソの公演労働者とジンバブエの彫刻家など、京畿道(キョンギド)抱川(ポチョン)のアフリカ芸術博物館所属移住労働者たちが10日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)のセヌリ党舎前で‘奴隷労働’告発記者会見を行っている。 彼らは "移住労働者を奴隷扱いせず人間らしい暮らしを保障せよ" と要求した。 彼らはアフリカ博物館側が法定最低賃金を守らず、鼠が出る寮で生活させるなど、奴隷同様に取り扱われたと主張した。 アフリカ博物館の理事長はホン・ムンジョン セヌリ党事務総長だ。 カン・チャングァン記者 chang@hani.co.kr

抱川(ポチョン)のアフリカ博物館労働者たち
月給60万ウォン・一日の食事代4千ウォン
手当も支給されずに公演を強要され
パスポート押収も… "宿舎はネズミの巣"

ホン・ムンジョン セヌリ党議員が理事長
"人間らしく待遇せよ" 集団 反発

 パイナ(27・女)は2009年11月ジンバブエから韓国に来た。 祖国の彫刻を世界に知らせるという希望を抱いた。 だが、京畿道(キョンギド)抱川(ポチョン)のアフリカ芸術博物館に入って、夢はまもなく木っ端みじんに砕かれた。 パイナはこの博物館で一週間に6日、一日7時間ずつ彫刻をして月給として65万ウォン(約6万2千円)を受け取った。 法定最低賃金は一ヶ月に126万9154ウォンだった。‘なぜ65万ウォンしかくれないのか’と抗議するたびに、博物館管理者は「どうにもならない」とだけ言った。 「理事長が韓国で非常に重要な人物だと言いましたよ。 抗議してみても何の効果もないと…」 パイナは「韓国に来て夢が悪夢に変わった」と話した。 この博物館の理事長はホン・ムンジョン(59)セヌリ党事務総長だ。

 パイナのようにアフリカ芸術博物館で彫刻・公演などの仕事をしてきたアフリカ移住労働者12人が10日、ソウル汝矣島(ヨイド)のセヌリ党舎前に集まった。 労働者は全部で24人だったが、8人は帰国し4人は逃げたと言う。 彼らは奴隷のように働いてきたと暴露した。 最低賃金、適正食費、休暇など、どれ一つとっても労働関連法規が守られていなかったと言う。 彼らが抗議すれば博物館の管理者は「アフリカではこの程度なら大金じゃないか」と言ったという。 アフリカを蔑視する発言だ。

 北西アフリカ ブルキナファソ出身のエマニエル(34)は、2012年からアフリカ芸術博物館伝統公演会場で踊ってきた。 エマニエルの月給は60万ウォンだった。 法定最低賃金では105万5893ウォンを受け取らなければならなかった。 彼女は 「私は我が国の私たちの村で最も有名なダンサーだ。 世界中どこでもこんな待遇を受けたことはない。 お金は全く残らない。 このまま本国に戻らなければならない境遇」として目がしらを赤く染めた。 エマニエルなどブルキナファソ出身の公演労働者8人は9日に契約が満了した。 芸術興行ビザが満了する前の27日までに出国しなければならない。

ホン・ムンジョン セヌリ党事務総長が去る5日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)のセヌリ党党舎で地方選挙などの懸案について記者たちに話している。 キム・ギョンホ記者 jijaw@hani.co.kr

 彼らはネズミが服をかじって食べる所で眠り、傷んだ米で食事の仕度をした。ブルキナファソ出身のラジャク(26)は「ブルキナファソでアフリカ芸術博物館と契約する時、テレビとコンピュータが備わった立派な寮を提供すると言った。 だが、実際に来てみると、宿舎の窓ガラスは割れていてネズミの巣だった」と話した。 スレート屋根の宿舎の玄関ガラスも割れているという。 寮には暖房と断熱が全くされていない部屋もあった。 食事代は一日4000ウォンだった。 2012年7月までは2500ウォンだった。 パイナは 「韓国でとうてい3食を賄えない金額だった。 抗議するとご飯を自分で作って食べろと言い、米を渡されたが傷んだ米だった。 お金を節約するためその米で作ったご飯を食べて飢えをしのいだ」と話した。

 ブルキナファソ出身の4人がこのような環境に耐えられず無断離脱するや博物館側は残った労働者のパスポートを押収した。‘私たちの権利’だとして労働者が反発しても効果はなかった。 一日3回公演という契約事項も全く守られず、一日4回、多い時には6回まで公演したという。 延長手当てや未使用の年次休暇手当て、退職金もやはり全く受け取ることはできなかった。

 この日、セヌリ党舎前の記者会見で、彼らは伝統楽器のドゥンドゥンとパラポンを叩いた。 アフリカ大陸の形をまねて作った手立て札には、英語で‘韓国は愛しているが、博物館理事長は悪者だ’ ‘私たちは自由’と記されていた。 "私たちは動物じゃない。 人間らしく待遇せよ" として、どもりがちな韓国語でスローガンも叫んだ。 チュ・ポンヒ全国民主労働組合総連盟副委員長は「この寒空に汝矣島(ヨイド)でこの方々がなぜこうしているのか。 21世紀、執権与党3選議員ともある方が運営する博物館で起きたことだ。 みじめな心情だ」と話した。 ホン・ムンジョン事務総長は2010年8月この博物館を買収し運営している。

パン・ジュノ記者 whorun@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/623468.html 韓国語原文入力:2014/02/10 19:55
訳J.S(2353字)

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