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3年半 血の汗に借金1億ウォン コンビニ解約… "悪魔のドロ沼から脱出"

登録:2013-04-09 20:20 修正:2013-04-09 22:09

"悪魔の沼に落ちたようだった。"

 ソウル中浪区(チュンナング)面牧洞(ミョンモットン)で3年6ヶ月間セブンイレブン コンビニエンスストアを運営したク・ジンモ(53)氏の話だ。 かろうじて抜け出すことはできた。 ク氏は8日、コンビニ運営をたたんだ。 ちょうど公正取引委員会がコンビニ中途解約違約金を最大67%まで下げると発表した日だった。 幸い違約金は払わずにすんだ。 権利金形式で3000万ウォンを受け取り店をセブンイレブン本社であるロッテグループ系列のコリアセブンに渡すことにしたのだ。 だが、傷痕は1億ウォンの借金として残っている。

 ク氏は平凡な中産層家長だった。 大学でコンピュータ工学を専攻し、国内大企業数ヶ所で20余年間にわたり仕事をした。 薬剤師である夫人は薬局を運営していた。 暮らしに困難はなかった。 留学に行った兄弟姉妹を世話するために2003年にカナダに行き2008年に帰ってきたが、カナダで見てきたドラッグストア(薬局・コンビニ結合売場)を作ってみようというアイディアが浮かんだ。 妻が運営する薬局のそばでコンビニをやってみるつもりだった。 2009年8月初めのことだ。

 色々なコンビニエンスストア業者と接触しセブンイレブンを選んだ。 店舗開発担当者が3週間かけて町内商圏などを分析した後 「一日最低でも88万ウォンの売上が予想される。 損はしない」と話した。 担当者の計算では、月間売上額2700万ウォン余り、マージン率を27~30%で計算して700万~800万ウォンが残り、ここからロイヤリティーの35%を抜けば500万ウォン程がク氏に残ると出てきた。 賃貸料250万ウォン、アルバイト月給200万ウォンがかかるが、商売がもう少しうまくいけば利益が出ると楽観していた。 ク氏は「ロッテという大企業の名前も信じた」と語った。 ク氏は小商工人融資 5000万ウォンを借りて加盟契約費1000万ウォン、賃貸保証金1500万ウォンなどを払い、‘ドロ沼’に足を踏み入れた。 2009年9月16日のことだった。

 予想ははずれた。 売上は一日50万~60万ウォン台を越えられなかった。 毎月のロイヤリティーを除いた利益は300万ウォン余りだった。 賃貸料を払えばアルバイト月給は払えなかった。 毎月赤字が200万ウォンずつ積もり始めた。 ク氏はコンビニエンスストアをどうにか軌道に乗せようと5ヶ月ぶりに他の職場まで見つけた。 朝7時に出勤し夕方7時に退勤してからコンビニで夜12時まで働く形だった。 2ヶ月でからだに異常が起きた。 左目が見えにくくなり物が曲がって見えた。 病院では‘過労のせい’だと言われた。 ク氏は視覚障害者6級判定を受けても過労を続け、職場で稼いだ月給350万ウォンずつをそっくりコンビニの維持に注ぎ込んだ。

 2011年11月、もうこれ以上は職場の仕事ができなくなった。 目が一層悪くなり、借金は急激に増えた。 アルバイトの雇用は維持しなければならず、カードローン融資だけで4900万ウォンを借りた。 小商工人融資の延滞も追い討ちをかけた。 コンビニを閉めることもできかった。 中途解約違約金は5000万ウォンだった。 昨年末、公取委を訪ねて行かざるを得なかった。

 ク氏は 「虚偽・誇張予想売上にだまされて契約したので、契約自体が無効」と主張した。 公正取引調整院で会ったコリアセブンの職員は「とにかく契約は有効」とまくしたてた。 食い下がっていたコリアセブンは最近になってコンビニ本社の横暴が社会問題に浮上し始めるや突然ク氏に和解を提案した。 コリアセブン関係者は「ク氏の主張を受け入れたわけではなく(世論悪化と関連して)不満が憂慮されるために和解したまで」と話した。

 ク氏は「中途解約違約金引き下げは臨機応変にしたに過ぎない。 ばく大な借金を抱えた不良店舗の店主にとって違約金引き下げは焼け石に水だ。 コンビニ企業等が虚偽・誇張情報で売場増やしだけに汲々としている現実から変えなければならない」と話した。

文・写真イ・ユジン記者 yjlee@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/582016.html 韓国語原文入力:2013/04/09 19:50
訳J.S(1950字)

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