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2012大統領選挙と世代葛藤の経済学

登録:2012-12-31 00:30 修正:2012-12-31 09:19

 2030世代の野党支持にもかかわらず、人数で勝る5060世代の圧倒的支持により与党が大統領選挙で勝利するや世代間の溝が深まっている。 高齢化によって進歩の執権が難しくなるという心配と共に、青年世代と50代以上世代との葛藤が憂慮されている。 一部の若者たちは普遍的福祉に反対した老人層の地下鉄無賃乗車や老齢年金の廃止を主張している。

 先進国で世代間の経済的葛藤は昨日今日のことではない。 米国でも65才以上の66%が社会保障と老人医療保障制度を保護することが財政赤字の縮小より重要だと答えたが、30才以下はその反対であった。 超高齢社会である日本は老人福祉負担に青年層の腰が曲がり‘社会福祉による児童虐待社会’と呼ばれたりもしている。 韓国では20代の88万ウォン世代が既成世代に機会を奪われ苦痛を受けていると石を持てという本が話題になった。

 国債を発行してでも政府の支出を増やそうという与党の主張を見て、そのような心配が一層深まった。 いわゆる‘リカードの等価定理’によれば、政府が金を借りて財政支出を増やせば人々が未来の税金引き上げを予想して消費を減らし政策効果が弱まる。 これに対する批判の一つは人々が本当に利己的なら子供の世代になる税負担には気を遣わないということだ。 このように国の借金の荷物を未来世代が負うならば世代間経済戦争を云々するのも無理はない。

 しかし世代差異の政治学を理由に世代葛藤の経済学を誇張してはならない。 朴正熙に対する郷愁と安保に対する過敏、または地域主義など5060世代が与党を支持した理由は多様だが、彼らの暮らしもやはり貧しくて手に負えない。 老人貧困率は半数に達しており他の世代より4倍も高く、すでに先進国の中で1位である自殺者の28%が老人だ。 途方もない投票率を記録した50代はまもなく職場から押し出される運命だが、47%が非正規職で他の世代より雇用の質が低く賃金も40代より低い。 すでに退職した多くの人々も零細な店一つでかろうじて生きている。 金を借りて買ったアパートの価格は下落し、やっと育てた子供は就職も難しい状況で、今後30年は生きていかなければならない。 この世代は霊魂まで蚕食される不安に直面しているわけだ。

 民主進歩陣営の敗北はこうした不安を解消するに足る信頼を与えられなかったためだ。 社会政策と老人福祉にはより一層積極的だったが、彼らを説得することに失敗したし、口先だけで民生を叫んだ与党に票を奪われてしまった。 低所得層と低学歴階層の与党支持度がより一層高いという事実は進歩には痛い現実だ。

 青年失業に苦しめられ‘バイト’で延命している青年層も彼らの両親も暮らし向きが同じように苦しいのは、やはり少数の既得権層に富が集中する経済構造のせいだ。 それなら私たちは世代間の葛藤を心配する前に先ず富者と貧者の間の所得再分配を叫ばなければならないだろう。 経済民主化と福祉国家のために両親・子供世代 皆が力を合わせる努力が必要だ。 公平で正しい経済により世代間の利他主義が花開くだろう。

イ・ガングク立命館大教授

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/567602.html 韓国語原文入力:2012/12/30 20:42
訳J.S(1416字)

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