李明博大統領一家のソウル内谷洞(ネゴクトン)私邸敷地安値買い入れ疑惑に対するイ・グァンボム特別検事チームの捜査が終盤に達し事件の輪郭も徐々に明らかになっている。 当初、今回の事件は‘李大統領一家が負担しなければならない地価の一部が国家予算で充当された’という結果に基づいて背任の疑いなどで告発されたが、今回の事件の本質は‘不法贈与’ではないかという分析が法曹界から出ている。
内谷洞私邸敷地事件に火が付いた時、最大の疑問は李大統領が退任後に暮らすことになる私邸敷地をなぜ息子イ・シヒョン(34)氏の名義で買ったかということだった。 そのために表面的には不動産実名法違反が問題になった。 大統領府警護処は「保安問題や地価上昇が憂慮されたため、イ・シヒョン氏が土地を買って後日に李大統領が買い戻そうとした」と説明した。 しかし内谷洞私邸と警護棟の敷地を契約する時、シヒョン氏の名前と‘大統領府警護処’の名前が同時に露出したので、この説明はあまり説得力がない。 結局、李大統領ではなくシヒョン氏が自身の名義で土地を買いとったのは、内谷洞私邸をシヒョン氏が自然に所有できるようにしようという試みだったと見られる。 結局、贈与税を納めずに息子に財産を譲ろうとして、不動産実名法に違反することになったのではないかとの話だ。
内谷洞土地買い入れ代金12億ウォンの内、半分は伯父イ・サンウン(79)ダース会長から借り、残りの半分は母親キム・ユンオク(65)氏のソウル、ノンヒョン洞の不動産を担保にして借りたというシヒョン氏の主張も‘不法贈与論’を裏付ける情況だ。 母親の不動産を担保にすれば十分12億ウォンを借りることができるにも関わらず、あえて親戚のイ会長から5%の利子で6億ウォンを借りたということが釈然としないためだ。 これに伴い、李大統領の借名財産管理人と疑われたイ会長から出てきた6億ウォンの実所有者が果たしてイ会長なのかという疑問が生じる。 シヒョン氏が6億ウォンを借りた農協の貸し出し利子も5%前後と知らされた。
検察と特検捜査で見せてくれた李大統領一家の納得し難い行動と説明もこのような推測を後押しする。 検察に出した書面陳述書でシヒョン氏とイ会長は現金6億ウォンが授受された時点を‘2010年5月23日’と明らかにしたが、特検の召還調査を受けた時には同年5月24日と日付を変えた。 シヒョン氏らは‘大統領府行政官が書面陳述書を作成する過程で錯誤があった’と説明したが、その行政官を特定してほしいという特検チームの要求に対して、大統領府は「分からない」と答えた。 シヒョン氏が現金6億ウォンを直接受け取ったという当日の行跡も怪しい。 シヒョン氏は慶北慶州(キョンジュ)のダース本社からソウルにKTXに乗ってソウルへ上がってくる時、警護員を同行したと言ったが、大統領府に立ち寄って車を持ってソウル九宜洞(クイドン)の李会長の自宅へ行く際には一人で行ったと主張している。 あえて一人で行って現金6億ウォンを大きなカバン3個に詰めて直接受け取ったということだ。
また、シヒョン氏はイ会長に借用証を渡して金を貸してくれと言ったというが、借用証を作成したコンピュータ原本ファイルも特検に提出できずにいる。 そのために借用証なしでイ会長から金を受け取り、問題に火がついた後で事後に借用証を作成したという疑いが生まれている。
ある法曹人は「この事件の核心は、李大統領が息子に土地を与えようとした‘贈与’と見られる。 後に問題に火がついてから借用証などを事後作成して辻褄合わせをしたようだ」と語った。 実際、特検チームは大統領府側が出した資料が捏造された情況を捕捉し警護処職員3人を被疑者身分で召還調査する予定だ。 また別の法曹人は「今回の事件の性格が贈与と規定されるならば、李大統領夫妻には贈与税など脱税容疑が適用される」と話した。
キム・テギュ記者 dokbul@hani.co.kr