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MBが話した‘労使共生企業’の話は‘虚構’だ

登録日時:2011/05/30 16:38(2272字)

イ大統領、ラジオ演説で‘バレオ電装’慶州工場に言及
労組 力失うや勤労条件 バッサリ…不満勢力は‘待機組’に送る

←李明博大統領. 大統領府カメラマン団

李明博大統領は30日午前、ラジオ演説でこのように話した。「年俸7000万ウォンを受け取るという勤労者たちが不法ストライキを行う残念なことが起きました。平均2000万ウォンも受け取れない非正規職勤労者たちがまだ多いのです。その3倍以上も受け取る勤労者たちがストライキをしたのです。」去る5月24日、会社側がストライキをする前に断行した職場閉鎖により合法ストライキを行いぞろぞろと連行された柳成企業の話だ。

 大統領が言及した彼らの‘年俸7000万ウォン’はニセ物だ。金融監督院電子公示システムに公示された柳成企業事業報告書によれば、2010年12月末現在、在職中の柳成企業職員744人の1人当り平均給与は5710万ウォン(平均勤続年数15.7年)だ。実際に柳成企業で30年にわたり仕事をしてきたある労働者は<ハンギョレ>との電話通話で昼間勤務で一ヶ月80時間の残業をびっしり満たして受け取った年俸が6200万ウォン(税引き前)と話した。大統領が話すいわゆる‘年俸7000万ウォン’は月80時間の残業・夜から翌日午前まで仕事をする夜間勤務と昼間勤務を隔週交代でする‘苛酷な労働’の結果だが、大統領はこの点を無視した。

続けて李明博大統領は‘労使共生’の重要性に言及し、ある会社の例をあげた。バレオ電装慶州工場だ。イ大統領は「昨年バレオ電装慶州工場も同じことが起きました。この企業の平均年俸が7000万ウォンを越えていたが、会社は赤字でした。常習ストライキが続き海外投資家は国内工場の門を閉め撤収することにしました。幸い門を閉める直前に労組は劇的共生の方向を選びました。昨年の売上が以前の3年間の平均より36%も増えたといいます。当期純利益も2年連続で赤字から抜け出し、創業以来最高の400億近い黒字を記録しました」と話した。

 しかしこれもまた虚構だ。自動車部品会社のバレオ電装慶州工場の前では現在28人の労働者がテントを張り、1年3ヶ月にわたり籠城中だ。昨年2月16日、会社が一方的に‘職場閉鎖’を断行した後に始まったテント籠城は500人余りから始まり、今も28人が進行中だ。これら28人は‘金属労組脱退’を条件に掲げて会社復帰を懐柔する会社方針に服さず解雇(15人)または、停職(13人)された。停職労働者には‘3ヶ月停職’処分を無限に反復中だ。3ヶ月停職させ3ヶ月が過ぎれば1週間後にまた同じ‘3ヶ月停職’を下している。

当初の始まりは簡単だった。フランス資本のバレイは去る2009年、世界金融危機以後 韓国にある4ヶの支社に15%人材縮小計画をたてた。労働組合はそれを受け入れなかった。すると会社は警備労働者5人をまず用役に転換する案を立てた。労働組合は‘警備・労働者と一般労働者は変わりがない’として‘警備労働者の用役転換は結局 人材縮小と外注化の手始め’だとし、それに反対し怠業を行い、使用側が奇襲的に職場閉鎖を断行した。以後、労組はストライキを行ったが用役警備が会社全体を占領した状態で使用側が脅迫・懐柔を通じて労組員を‘金属労組脱退’を条件に復帰させ、会社の影響力の下に新しい労組が作られた。

 昨年7月26日に解雇されたチョン・ヨンジェ バレオ電装慶州支会長は「新しく作られた労働組合は、以前の労組が2009年に使用側との賃金交渉を通じて成し遂げた基本給引き上げ分、号俸昇級分をそっくり返却し、1人当り平均1500万ウォンほどの手当てを返却し、定年を60才から58才に切り下げ、55才から58才までの賃金ピーク制を施行することに同意し、70人余りが追加で会社を辞めた」として「現在28人の労働者が依然として籠城中で、労働組合が力を失ったバレオ電装慶州支部は‘労使共生’の事例ではなく‘社長独裁’の事例」と話した。

 労働条件はなんとも言えないほどバサバサしていた。チョン・ヨンジェ支会長は「会社の中には今も106人の遊休人力がある」と話した。会社がボイラー管理などを自動化し余った人材を教育・草むしり・清掃などをさせ遊ばせているということだ。チョン支会長は「会社が定めた物量を満たすことができなければ残って物量を満たしてから家に帰らなければならず、大統領が話した通り、昨年400億の黒字を出したが今年の賃金交渉案は白紙で会社側に委任するなど勤労条件が悪化したが労働者が不満を話せない」とし「不満勢力は‘遊休人力’すなわち‘待機組に送る’と使用者側が言うためだ」と話した。

チョン・ジンホン民主労総金属労組慶州支部未組織非正規部長は「柳成企業労働者たちのストライキは不法性を探し難いストライキなのに‘不法ストライキ’と一方的に規定し、バレオ工場は現在、会社が最悪の労働条件に向かって駆け上がる汽車なのに、やはりこれを‘模範事例’として言及した」として「大統領がそのように一面だけを眺めてわい曲された事実を伝えているとことに怒りを感じる」と話した。
パク・スジン記者 jin21@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/480390.html 訳J.S