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"夜勤に入りたくない。あまりにしんどい" そして結局…

原文入力:2011-05-24午後08:34:42(2555字)
柳成企業‘24時間2交代制’で1年半に組合員5人が命を失い
夜 寝る権利は‘暮らしの質’の問題…平均賃金7000万ウォンも事実ではない

パク・スジン記者

←会社側の職場閉鎖に対抗し労働者が籠城している忠南、牙山市、柳成企業の正門で組合員が23日午後、公権力投入に備え警戒勤務に立つ他の組合員と無線で連絡をとっている。 牙山/キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

 "夜には寝たいというのがそんなに無理な要求でしょうか?"
ホン・ジョンイン柳成企業労働組合 牙山支会労働安全部長の叫びだ。

柳成企業は自動車エンジンに用いる核心部品であるピストンリングを現代自動車に納品する企業だ。すべての完成車部品会社は現在24時間交代をしている。柳成企業の場合、昼間勤務は朝8時から午後7時30分まで、夜間勤務は夜10時から翌朝8時まで仕事をする。昼間組と夜間組の交代周期は1週間だ。1週間は毎日夜10時から日をまたいで翌日午前8時に退勤し、その次の週には午前8時に出勤し午後7時30分に退勤するシステムである。

休むことができずに働いた極端な結果は‘死’でもある。去る3月、この会社で20年働いたチャン・某(49)氏が自ら命を絶った。ホン部長が伝えた彼の死の転末は次の通りだ。

 "○○兄さんが亡くなる一ヶ月前から家族に‘夜間に入りたくない。あまりにしんどい’という話をずっとしていたそうだよ。昨年、生産2課でずっと夜間労働をしましたよ。ずっと夜間に仕事をしたところ、心臓がドキドキし変だと思って病院に行きました。うつ病、恐慌障害症状を示しているといって精神科の診療を受けられました。診療を受けながら仕事をしていて腰を痛めました。ところで治療を受けて仕事をすればどれほど大変でしょうか。病院に行ったところ脊椎狭窄症で退行性ですね。歳を取ればかかる病気だというんです。結局、勤労福祉公団で退行性なので労災にはならないと言われ、20年仕事をした兄さんは途方もない剥奪感を感じました。どうにかして私たちは今の作業の半分だけするのが良いだろうといったが、管理者が‘生産量’が伸びているので兄さんを急き立てたことでしょう。そのような渦中に兄さんが家で首をくくり亡くなりました。昼間2交代を労組が交渉しているというので、それまで頑張ってみる’という話もしていたそうだよ。そうするうちに結局、家で首をくくって亡くなったでしょう。私はこの自殺自体を労災にしてみようとしたが遺族があまりにしんどいというのであきらめました"

このように自ら命を絶ったり突然死した柳成企業の組合員は1年半で何と5人だ。イ・ジョンフン柳成企業組合員は「夜間勤労を1年以上した組合員たちの顔を直接見れば、30代は40代のようだ。病人のようだ」として「夜中に仕事をして家に帰れば、よく眠れないので、夜間勤労をする間はずっと夢うつつの状態で仕事をする場合が多い」と話した。

夜間勤労の危険性はすでに学界で広く知られたことである。リュ・ヒョンチョル労働環境健康研究所産業医学科長は「基本的には睡眠障害が起こり、それに伴い心血管系疾患が発生し、糖尿病、血圧、喘息などすでに持っていた疾患が悪化することが問題」として「最近では癌との関連性も明らかになっているが、女性の場合、乳癌との関連性が学界で明らかになっっているし、男性の場合には前立腺癌、大腸癌との関連性に対する研究が進行中」と話した。リュ科長は「基本的に健康な社会生活自体が不可能でそれによる心理的問題、例えばうつ病が生じる場合、夜間交代を続ければ治療できないという問題がある」と付け加えた。

昼間勤務と夜間勤務を交代した時、人により交代不適応症候群が生じ、生理的適応や心理的適応が難しい人々も多い。

こういう明白な危険性のために先進国では昼・夜間交代を次第になくしているが、我が国の場合、これをなくすことさえ‘お金’の問題と見て当然の権利を主張することを公権力で鎮圧している。
柳成企業労組員は平均賃金が7000万ウォンとし‘貴族労組’というレッテルを貼られていることに対し。もう一度絶望した。ホン部長は「入社して30年になる先輩がいます。昼間勤務だけして毎月残業を80時間ずつぎっちり満たして働いて受け取る年俸が6200万ウォンです。税引き前の金額です。基本給が7000万ウォンであるわけではなく夜間組の時、毎晩10時から翌朝8時まで10時間働き、その中に夜間手当て、深夜勤労手当て、更に追加で残業すれば残業手当てまで、すべての手当てを全て加えて7000万ウォンを受け取るケースがあるということ」と話した。2005年に入社したホン部長自身も、労組の仕事のために昼間勤務、1ヶ月平均残業20余時間をして昨年受け取った年俸が3990万ウォン台に過ぎない。労組関係者たちは平均賃金は4100万ウォンに過ぎないと口をそろえた。これら組合員たちは「これがもらいすぎですか、夜中に働き、睡眠もとれず、手当てを全て加えてこの程度 受け取るのが本当にもらい過ぎだと思いますか」と反問した。

ホン・ジョンイン部長と通話をして2時間もしない24日午後4時頃、警察は31個中隊2000人余りの公権力を投じ彼らを直ちに連行した。

夜眠る権利は‘暮らしの質’の問題だ。イ・ビョンフン中央大教授(社会学)は「柳成企業労働組合が要求する昼間2交代勤務は長時間労働・深夜勤労で悪名高い我が国の勤務体制を変え、勤労時間を減らし働き口を増やし高齢化に合う勤労パターンを作るという点で前向き且つ大変重要な変化」として「さらに高い賃金を要求するストライキではなく、より良い暮らしの質を要求するストライキに対し、対話や調整でない唐突な公権力の介入で制圧することはさらに多くの副作用を産む」と指摘した。

パク・スジン記者 jin21@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/479491.html 訳J.S