原文入力:2011-03-08午後11:13:55(2004字)
5人関与 トン氏にビザ二重発給
イ・ヨンイン記者
←上海外交官スキャンダルの流れ(* クリックすれば大きく見ることができます。)
現在までに確認された‘上海スキャンダル’の仕組みは駐上海総領事館に勤務していた一部領事と現地中国人女性の不適切な関係の中で、対外保安を要する外交官の身上情報と国内政官界有名人らの個人情報などが流出したということだ。だが、トン・某氏と関係を結んだ職員が増加しており、流出した資料の性格によっては‘スキャンダル’が大型‘スパイ事件’等に拡大する可能性もなくはない。
←今年初め、不倫波紋で辞職した法務部所属ホ・某前上海領事(上)が不適切な関係を結んだ中国女性トン・某氏とともに撮った写真。
ひとまず事件に火がついた経緯を見れば典型的な‘三角不倫’から始まる。知識経済部所属で2008年下半期に上海総領事館に派遣されたキム・某前領事は中国人女性トン氏と‘内縁の関係’を結んでいた。2009年8月 法務部所属ホ・某前領事が上海領事館に赴任するとすぐにキム氏はホ氏にトン氏を紹介した。しかし、その後 ホ氏とトン氏が内縁関係に発展するやキム氏がそれを問題視し、こういう‘三角不倫’のうわさが上海同胞社会に広がり始めた。
ホ氏はトン氏にビザを二重発給したりもし、領事館の職制表やビザ業務過程などに対する書類も渡していたことが明らかになった。キム氏はトン氏に「約束を守らなければ私の指一本を切って差し上げる」という内容の愛情告白が書かれた‘親筆誓約書’まで書いた。キム氏とホ氏以外にもトン氏と一緒に親密なポーズで写真を撮った上海総領事館前・現職職員は3人内外 更にいることが分かった。
さらに大きな問題は、トン氏に伝えられた資料の性格と伝達経路だ。トン氏の韓国人の夫C氏が夫人の持ち物を調べた後、法務部などに情報提供した資料を見れば、駐上海総領事館の非常連絡網とビザ発給関連資料、国内有力政官界要人200人余りの携帯電話番号が含まれた連絡先などが入っている。
←中国女性トン・某氏との不適切な関係について公職服務管理官室の調査を受けたキム・某前領事がトン氏に書いた親筆誓約書。キム・某前領事は「トン氏の脅迫に勝てず言われるままに書いたもの」と弁明した。
特に上海総領事館の非常連絡網は身分を隠した情報機関職員の名前と連絡先までが含まれている機密事項だ。中国など他国へ渡った場合、盗聴等を通じて敏感な秘密情報が漏れる恐れもある。李明博大統領とイ・サンドク議員、イ・ジェオ特任長官などの電話番号が書かれた文書も同じだ。トン氏にその他の資料が渡された可能性も排除できない状況だ。実際、ホ氏の妻は<ソウル新聞>との通話で「夫が保管していた盧武鉉前大統領の非公開発言録、カン・グムシル前法務部長官の金銭出納内訳が印字された通帳など、参与政府の人士と関連ある文書がトン氏の家にある」と主張した。
伝達経路もまだ正確に明らかになっていない。まずキム氏とホ氏がトン氏に直接伝達した可能性があるが、二人は政官界要人の携帯電話番号伝達事実は否認していると知られた。キム・ジョンギ前総領事とトン氏が一緒に撮った写真などがある点から推測し、キム前総領事の関与の可能性も排除できない。
2007年ハンナラ党ソウル選対委で幹部を務めたキム・ジョンギ前上海総領事が保管していた資料だ。
これと共に上海総領事館に勤めた国家情報院駐在官とキム前総領事の円滑でない関係も明らかになるなど、在外公館の種々の問題点も次から次へと明らかになっている。キム前総領事は<連合ニュース>インタビューで「資料を流出して中国女性との写真まで結びつけ私を謀略に陥れようとした状況から見れば、証明は難しいが私と激しく仲が悪かった某情報機関要人が背後だと思う」と主張した。
今回の事件を契機に現地公館に対する管理システムの弱点が露出したという指摘が少なくない。キム前総領事は2007年大統領選挙の時、ハンナラ党ソウル必勝大会準備委員長を引き受けた人物で、任命当時から‘報恩人事’論難が少なくなかった。几帳面な実務能力が必要な領事業務に政界人物が任命された結果、管理能力に限界を現したということだ。また、トン氏の実体に対する正確な把握もなく、非公式的な人脈に依存する現地外交官たちの業務方式にも問題があるという指摘が出ている。イ・ヨンイン記者 yyi@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/467090.html 訳J.S