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李在明政権が選んだ「お手軽」改革、悪い改革に終わらせないためには

[ソン・ハニョン先任記者の政治舞台裏] 
開かれたウリ党の4大改革立法の失敗から教訓を得るべき 
2028年の総選挙と2030年の大統領選挙で負ければ水の泡に 
「信念の純粋さよりも『責任倫理』回帰を」
李在明大統領が8月6日に大統領府で行われた首席・補佐官会議で発言している/聯合ニュース

 革命とはひっくり返すことです。廃きょの上に新たな秩序を築きます。改革とは直すことです。制度や機関を変えて、漸進的に変化を追求します。

 改革は革命よりも難しいものです。反革命勢力は処断できますが、改革抵抗勢力は忍耐強く説得しなければなりません。そうやって少しずつ世の中を変えていくことこそ正しいのです。

 政治は革命ではなく改革です。政治家には国民を説得して改革を推進し、成果を上げる義務があります。改革に失敗すれば、政治家は責任を取って身を引かなければなりません。

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は8月6日の首席・補佐官会議で次のように述べています。

 「すべての国政の成果は結局、主権者国民が評価します。良い意図で始まった政策であっても、国民が効果を実感できなかったり、逆に国民の生活に被害を与えたりすれば、やらない方がましでしょう。常に国民の目線であらゆる事案を検討し、問題があればどのような事項も聖域なく積極的に直すという、柔軟で能動的な行政が必要です」

 李在明大統領の発言は、8月4日の国務会議で可決された「検事の補完捜査権」廃止を核とする改正刑事訴訟法に対する懸念だと解釈できます。しかし、この発言は政治家であれば誰もが心に深く刻み、一瞬たりとも忘れてはならない黄金律でもあります。政治は結局、国民のために行うものだからです。

 民主党は政権についている時期に改革を推進してきました。特に大統領権力を握るとともに国会で多数の議席を獲得していた時期には、力が一気に増しました。しかし、毎回成功したわけではありません。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の弾劾の反動で、2004年の総選挙では開かれたウリ党が過半数の議席を獲得しました。開かれたウリ党の主導で4大改革立法が推進されました。国家安全法の廃止、私立学校法、過去事真相究明法、言論関係法です。野党ハンナラ党の強い反対と開かれたウリ党の党内対立のせいで、ほぼ失敗に終わりました。改革は派手にスローガンを掲げてはならないという教訓を残しました。

 特に国家安全法は、第7条(称揚、鼓舞など)から毒素条項を削除する水準の改正に与野が合意したものの、チョン・ジョンベ院内代表やユ・シミン議員ら開かれたウリ党の強硬派が国家安全法の廃止を強く主張したため、改正に失敗しました。国家安全法7条は今もそのままです。原則に過度に執着すると改革ができないという教訓を残しました。

 一方、盧武鉉大統領が主導した司法改革は成果を上げました。盧武鉉大統領とチェ・ジョンヨン最高裁長官の合意により、2003年に最高裁の下に司法改革委員会が設置されました。2005年には大統領の諮問機関である司法制度改革推進委員会が設置されました。この委員会の提案に沿って、国民参加裁判制度の導入、量刑委員会の設置、法学専門大学院(ロースクール)の設置などの改革が行われました。最初から当事者である最高裁判所と緊密に議論し、説得したため、改革の成功例となったのです。

 李在明大統領の改革はどうでしょうか。盧武鉉大統領と李在明大統領は大きく異なります。盧武鉉大統領は大統領になる前から政治経験が豊富でした。国会議員を務め、野党の最高委員を務め、そして長官を務めました。大統領を辞めてからは、検察に弾圧されました。

 李在明大統領は大統領になる前、行政経験が豊富でした。政治経験はあまりありませんでした。2022年の大統領選挙で敗北後、国会議員になり、民主党の代表になりました。その後、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察」から集中的に弾圧されました。司法府にもけん制されました。激しく闘いました。検察の弾圧と司法府のけん制を乗り越えて大統領に当選しました。

 政権は握ったものの、当初から李在明大統領と民主党にとって野党との対話や妥協は難しいものでした。尹錫悦前大統領の裁判が続いていましたし、国民の力には「ユン・アゲイン」のチャン・ドンヒョク代表が居座り、李在明大統領の退陣を求めているからです。

 李在明大統領と民主党は野党との対話と妥協を放棄し、改革を強く推し進める「お手軽な道」を選びました。国会の絶対多数の議席がこの選択を可能にしました。

 李在明大統領と民主党は世論を背景に、内乱専門裁判部の設置、法歪曲罪の導入、裁判訴願制度の導入、最高裁判所判事の増員などの司法改革を推進しました。司法府と国民の力は反対しましたが、強行しました。

 李在明大統領と民主党は、検事の捜査権を完全に廃止する検察改革を推進しました。検事の補完捜査権をめぐって激論が交わされました。李在明大統領は「例外的に補完捜査権が必要だ」と述べました。一部の民主党議員も李在明大統領の意見に賛成しました。多くの国民の意見もそちらでした。

7月31日の国会本会議で、前日に上程された刑事訴訟法改正案が、在席議員178、賛成175、反対2、棄権1で可決された/聯合ニュース

 しかし民主党は、党の方針として補完捜査権の廃止を強行しました。強硬支持層の要求に沿ったものです。李在明大統領も拒否権を行使しませんでした。

 「お手軽な道」には必ず副作用が伴います。それが世の理です。李在明大統領と民主党が推進した司法改革と検察改革は、持続可能性に問題があります。もし2028年の総選挙で民主党が敗北し、国民の力が勝利すれば、国民の力は李在明政権が推進した司法改革と検察改革を覆すでしょう。

 李在明大統領が拒否権を行使すればよいですって? 大統領の拒否権行使には限界があります。尹錫悦前大統領も少数与党という状況で、民主党が国会で可決した法案に対し拒否権行使で対抗しようとしましたが、どうにもならないから非常戒厳を宣布し、自爆してしまいました。

 当然すぎて私たちが何度も忘れてしまう事実があります。改革は与野党の合意で推進しなければ持続可能ではないということです。与野党の合意で実現した改革は、総選挙で第一党が変わっても、大統領選で政権が変わっても、維持される可能性が高いのです。

 しかし一方的に推し進めた改革は、総選挙で第一党が変われば、大統領選で政権が変われば、覆される可能性が高い。与野党の政治的合意が法律よりも上位の価値である理由はまさにここにあります。

 ハンギョレのイ・セヨン論説委員は8月7日付で「検捜完剥、スローガンの監獄」と題するコラムを書いています。

 「検捜完剥(検察の捜査権完全剥奪)も、突っ込めば、大衆にとって複雑な司法改革言説の要点を直感的に伝え、目標地点を明確に示すための認知フレームに過ぎなかった。しかしある瞬間から、『完剥』という記号は一切の折衷と妥協を断罪する現実の教義指針として機能しはじめた。『スローガンの監獄』が構築されたのである。この監獄は『言葉と行為の交換』である政治を『啓示と追従』の信仰行為で強制的に教化する」

8月7日付ハンギョレに掲載された同徳女子大学のホン・ウォンシク教授のコラム//ハンギョレ新聞社

 同徳女子大学のホン・ウォンシク教授が同じ日にハンギョレに「ショート政治に変質した改革のカリスマ」と題するコラムを書いています。

 「真の改革は凝り固まった『大義名分』にあるのではなく、絶えず自らを振り返り、刷新する『巡礼者的態度』にあるはずだ。また、信念の純粋さばかりにとらわれず、現実的な結果に責任を取る『責任倫理』への回帰が切実に求められる。改革という大義名分を勲章のように掲げ、『黙って従え』と要求するファンダム政治と教条的態度は、真の改革的アイデンティティーではなく、ウェーバーがあれほど警戒した『偶像崇拝』であり『盲目的なドグマ』に過ぎない」

 青坡教会のキム・ギソク牧師が同じ日に京郷新聞に「正義には節制が必要だ」と題するコラムを書いています。

 「正義が暴力にならないようにするために必要なのは、相手を屈服させる精巧な論理や熱い信念ではない。自分の限界を認める謙虚さ、真実を淡々と語る勇気、そして自分が誤る可能性を最後まで放棄しない節制である。互いの正当性に最後まで耳を傾けようとする忍耐と自己確信を節制することを知る市民の間で、初めて正義は共同体を救う秩序となる」

 ソウル大学のカン・ウォンテク教授が8月8日付の中央日報に、中央サンデーと東アジア研究院の共同企画による7回目の寄稿をしています。「政治が経済を解決できない時、極端な勢力が隙間に入り込む」と題する寄稿です。

 「政党は、極端に偏った強硬派の要求に盲目的に従う組織になってはならない。1930年代の悲劇が今日の私たちに与えてくれる最も重要な教訓は、民主主義を守る力は対立を調整し問題を解決することで市民の信頼を維持する政治の能力から生じるということである」

 複数のメディアに似たような論旨のコラムが一斉に掲載されたのは、なぜでしょうか。多くの論客が「スローガンを前面に押し立てた盲目的な改革」の危険性を懸念しているからです。

 李在明大統領と民主党が推し進めた司法改革と検察改革は、現実にしっかりと根付かなければなりません。そうなることではじめて国民は安心できます。必要であれば、さらなる立法も行うべきです。完全な制度はありません。法律は現実に合わせて直しながら使うことこそ正常です。

 最悪なのは、改革に失敗し、昔に戻ることです。2028年の総選挙と2030年の大統領選で民主党が敗北すると、そうなる可能性は高い。民主党がこのような最悪の状況を避けるためには、柔軟になる必要があります。民意に従わなければなりません。野党と妥協しなければなりません。そうすることではじめて選挙で勝てます。そうしてはじめて改革の成果を保ち、さらに改革を進めることができます。

 司法改革と検察改革に問題が生じたら、李在明大統領と民主党は率先して是正すべきです。国民の前では謙虚でなければなりません。「自分たちだけが正しい」という我執は捨てなければなりません。今、李在明大統領と民主党には省察と知恵が切実に必要です。みなさんはどうお考えですか。

ソン・ハニョン|政治部先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1272006.html韓国語原文入力:2026-08-09 09:00
訳D.K

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