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韓国クーパンの「捜査妨害」…情報流出容疑者を特定し供述書、一方的に発表

登録:2025-12-26 06:49 修正:2025-12-26 09:21
官民合同調査進められているのに「情報流出はない」と一方的に主張 
容疑者と接触後、警察に引き渡さず…陳述汚染された可能性も  
韓国政府「未確認情報、強く抗議」、専門家たち「常識とかけ離れている」
ソウル市内のクーパン配送トラックの様子/聯合ニュース

 韓国の大手ネット通販会社「クーパン」は25日、個人情報流出の実行者を特定し、流出情報が外部に送信された情況はないという自主調査の結果を一方的に発表した。韓国政府は直ちにクーパンが主張した内容は確認されていない事実だとし、民官合同調査が進められている事項に対する一方的な公表行為について強く抗議した。この日、大統領室が主管した関係省庁対策会議の前にク―パン側が「流出被害は大きくない」という趣旨の一方的な主張を展開したことで、波紋が広がる見通しだ。

 クーパンはこの日、大統領室会議の30分前である午後3時30分頃、報道資料を発表し、「フォレンジックの証拠を活用し、顧客情報を流出させた元社員を特定した」とし、「実行者がクーパンの顧客情報にアクセスおよび奪取するのに使われたすべての装置は全部回収されおり、安全に確保された」と主張した。

 クーパンはさらに「実行者は在職中に取得した内部のセキュリティキーを奪取し、Eメールや住所、電話番号など顧客の個人情報3300万件にアクセスしたが、約3000件のアカウントの顧客情報のみを個人のデスクトップとノートパソコンに保存した」とし、「決済情報、ログイン関連情報、個人通関番号などにはアクセスしておらず、外部に伝送した情況もない」と述べた。また「実行者はノートパソコンを物理的に破壊した後、近くの河川に投棄したと陳述した」とし、「実行者の説明をもとにダイバーが河川でノートパソコンを回収した」とも主張した。

 これに対し、政府は強く反発した。科学技術情報通信部は直ちに反論資料を出し、「クーパンが主張するのは民官合同調査団によって確認されていない事項であることをお知らせする」とし、「民官合同調査団で調査中の事項を一方的に発表したことについて、クーパン側に強く抗議した」と述べた。事件を捜査しているソウル警察庁サイバー捜査課も「21日、クーパン側から被疑者が作成したという陳述書と犯行に使われたというノートパソコンなどの証拠物を任意提出され、実際に作成したものなのか、犯行に使われた証拠物なのかなどを綿密に分析している」とし、「クーパン側の主張が事実なのか否かを徹底的に捜査している」と述べた。内部統制の失敗で起きた大規模な個人情報侵害事故に対する捜査当局の捜査と客観的検証手続きが進められている中で、クーパン側が自主的に内部情報を用いて容疑者を特定し、陳述書まで作って提出した状況について、強い不快感を示したものとみられる。

 クーパンがこの日公開した自主調査結果についても疑問の声があがっている。まず、捜査当局が捜査を進めている過程で、主要容疑者を探して陳述書まで作成したのは、事実上の捜査妨害とみなされかねない事項だ。クーパンが容疑者の身柄を警察に引き渡さなかったと伝えられる中で、警察の捜査を控えて事前に捜査対象と接触したことで、陳述が汚染される可能性があるためだ。

 また、クーパン側はこの日、情報を流出した社員と接触するようになった経緯や現在の所在地、容疑者の犯行動機などの疑問点については一切言及しなかった。今後捜査が進められる領域について、会社側に有利な内容だけを事実として外部に公表したわけだ。また、クーパンが確保したというノートパソコンなどの犯行道具をどのようにフォレンジックし、外部転送がなかったという事実を証拠として確認したのかなど、細部の分析過程も全く公開されていない。

 政府機関などが通常の業務をしにくい休日に、唐突に自主調査結果を発表した公表形式も物議を醸すものとみられる。クーパンは、外部機関などを通じて数回の検証を経て容疑者の陳述と自主調査内容が一致することを確認し、顧客の不安を減らすために一日も早く結果を発表したと主張しているという。しかし、これに先立って国会でおこなわれた聴聞会などにはクーパンInc(米国に上場したクーパンの親企業)のキム・ボムソク議長などが出席しないなど全く協力しなかったが、突然一方的な主張を出したことから、国民的不安が静まるかは疑問だ。

 専門家たちも同日、クーパンの対応が常識とかけ離れていると指摘した。高麗大学情報保護大学院のキム・スンジュ教授はこの日、フェイスブックへの投稿で、「現在調査中の事案をクーパンが無断で先制的に発表したのは、事案の緊急性のためというより、今回の事件を問題の退職者一人の逸脱に限定しようとする意図によるものと思われる」とし、「今、政府が確認しようとする主な内容は、内部統制に深刻な弱点を見せてきたクーパンが、他の開発者や退職者たちの逸脱もきちんと遮断・管理してきたのかどうかだ」と批判した。コ・ハクス前個人情報保護委員長も、クーパンが外部転送はなかったとし、「内部流出」だったということを強調したことについて、「流出とは、個人情報処理者(クーパン)の意思と関係なく、個人情報が(会社の)管理・統制権を離れ権限のない第3者(元社員)がアクセスし、その内容を知れるようになった状態」だとし、「顧客個人情報が個人情報保護法に違反して流出したと自ら認めているようなものだ」と指摘した。

 一方、大統領室は同日午後、クーパン問題と関連し、キム・ヨンボム政策室長の呼びかけで、ペ・ギョンフン副首相兼科学技術情報通信部長官やソン・ギョンヒ個人情報保護委員長、チュ・ビョンギ公正取引委員長など、関係省庁の長官級の関係者らと警察庁の関係者らと共に対策会議を開いた。この日の会議にはオ・ヒョンジュ国家安保室3次長とキム・ジナ外交部2次官など外交・安全保障担当高官も出席した。米国に本社を置くクーパンが責任逃れのために米国政・官係要人に対するロビーを行っている情況が明らかになり、会議出席者の範囲が拡大した。彼らは会議後「厳重な調査と対応と共に、消費者被害を防ぐための根本的制度改善案も設けることにした」とし、今後クーパンに対する汎省庁タスクフォース(TF)をペ・ギョンフン副首相を筆頭に拡大運営する方針を明らかにした。

ソ・ヘミ、ソン・ダムン、ソ・ヨンジ、チョ・ヘヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1236578.html韓国語原文入力:2025-12-25 22:10
訳H.J

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