本文に移動

北朝鮮「22日の極超音速飛翔体実験は独自防衛強化のため」…金正恩委員長は不参加

登録:2025-10-24 01:07 修正:2025-10-24 07:20
「ミサイル総局、重要兵器システム試験に成功」朝鮮中央通信が報道 
北朝鮮のミサイル総局は「重要兵器システムの試験を成功裏におこなった」とし、「平壌市力浦区域から北東方向に発射された2発の極超音速飛翔体は、咸鏡北道漁郎郡の櫃床峰の目標点を強打した」と発表。23日に朝鮮中央通信が報じた。この発射実験では、金正恩朝鮮労働党総書記兼国務委員長による現場参観や現地指導は行われなかった/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮のミサイル総局は「重要兵器システムの試験を成功裏におこなった」として、「平壌市力浦(ピョンヤンシ・リョクポ)区域から北東方向に発射された2つの極超音速飛翔体は、咸鏡北道漁郎郡(オラングン)の櫃床峰(クェサンボン)の目標点を強打した」と発表した。23日に朝鮮中央通信が報じた。この発射実験では、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長による現場参観や現地指導は行われなかった。

 朝鮮中央通信は「22日に行われた新たな兵器システムの試験は、潜在的な敵に対する戦略的抑止の持続性と効果性を向上させていくための、国防力発展計画事業の一環」だと報道した。報道によると、労働党中央委のパク・ジョンチョン書記、同委のキム・ジョンシク第1副部長、チャン・チャンハ・ミサイル総局長らが現場で参観した。

 パク・ジョンチョン書記は「新たな兵器システムの先端性は自衛的国防技術力の不断の更新の明確な立証」だとして、「その目的は自主防衛の強化」だと語った。

 ミサイル総局の発射実験については「新たな兵器システム」、「極超音速飛翔体」だと述べるにとどまり、普段とは異なり飛翔体の種類、飛行距離、高度、時間などの具体的な事項は公開されていない。この発射実験については対外用メディアである朝鮮中央通信のみが報道し、一般の人民が接する労働新聞には掲載されていない。

 同通信が報じた発射実験の内容は、前日の韓国合同参謀本部(合参)の発表内容と一部の詳細事項が異なる。合参の発表は「短距離弾道ミサイル数発」だった一方、同通信は「2発の極超音速飛翔体」と述べている。発射場所も合参は「黄海北道中和(チュンファ)一帯」としているが、同通信は「平壌市力浦区域」と報じている。

北朝鮮のミサイル総局は「重要兵器システムの試験を成功裏におこなった」とし、「平壌市力浦区域から北東方向に発射された2発の極超音速飛翔体は、咸鏡北道漁郎郡の櫃床峰の目標点を強打した」と発表。23日に朝鮮中央通信が報じた。この発射実験では、金正恩朝鮮労働党総書記兼国務委員長による現場参観や現地指導は行われなかった/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮ミサイル総局による「新兵器システム試験」は、慶州(キョンジュ)でのアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議(31日~11月1日)を9日後に控えて行われた。ただし金正恩委員長は現場に姿を現しておらず、東北アジア情勢に直接影響を及ぼす大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射などの「戦略的軍事行動」ではないことにも注目する必要がある。米国、中国、日本の首脳が出席し、ロシアの国際担当副首相も参加する「東北アジアの新たな枠組み作り」外交が試みられる首脳外交日程を前に、「存在感」を示す一方、「過度な挑発」と批判されるリスクを軽減することを狙った選択だと読み取れる。

 今回の発射実験の目的は「自主防衛の強化」だとパク・ジョンチョン書記が強調していることや、報道でこの発射実験の対象として韓国、米国、日本などの特定の国は名指しされておらず、「潜在的な敵」という抽象的な表現が用いられていることも、このような「政治外交的考慮」と無関係ではないようにみえる。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1224950.html韓国語原文入力:2025-10-23 08:37
訳D.K

関連記事