梨泰院(イテウォン)での雑踏事故惨事で事件現場の救助支援を行った消防隊員が、1週間にわたり行方不明となっており、警察と消防当局が捜索している。
17日、仁川(インチョン)消防本部に所属する消防隊員のAさん(31)の家族の説明を総合すると、Aさんは家族と友人に「すまない」という内容のメモを残した後、10日から連絡が途絶えた。
Aさんの足取りを最後に確認できたのは10日午前2時30分頃、(高速道路の)南仁川料金所。Aさんは料金所を抜け右側の路肩に車を停めた後に失踪した。携帯電話の最後の信号は、仁川市南洞区西倉洞(インチョンシ・ナムドンク・ソチャンドン)のあるマンションの近くで捉えられた。
警察と消防当局は失踪届を受けてAさんを捜索しているが、成果はない状況。家族はチラシを配ってAさんの行方を探している。
Aさんの家族はインスタグラムに載せた文で「(Aさんは)消防隊員で、梨泰院惨事当時に班長として先頭指揮をし、この時に深刻なトラウマが生じてこのようなこと(失踪)が発生した」とし、「(Aさんの)部屋から惨事直後にうつ病の診断書とうつ病の薬が見つかった」と綴った。
Aさんは2023年のメディアのインタビューで、梨泰院惨事を振り返り「亡くなった方々を黒い区域に運ぶのだが、その区域で耐えられなくなった」とし、「自分の親は、私がその現場に行ってきたということだけでも苦しんでいるのに、犠牲者のご両親はどんな気持ちだろうか。『これが現実でなかったらいいのに』(と思った)」とも語っている。