与党「国民の力」はキム・ムンス氏の大統領候補資格を取り消し、無所属のハン・ドクス候補を党の新たな大統領候補として登録する手続きを、10日までに終えることを決めた。
シン・ドンウク首席報道担当は10日未明の非常対策委員会の途中、記者団に対し、「候補を再選出するには、キム候補の大統領候補職を剥奪し、新たな候補選出の手続きを踏まなければならない。党憲党規上で必要な全党員投票を行うまでの手続きを今夜中に終える計画」だと述べた。
キム候補側が申し立てた大統領候補の地位認定の仮処分などはソウル南部地裁でいずれも棄却された。その後に行われた両候補の2回にわたる一本化に向けた実務協議が決裂したことを受け、事実上、党の大統領候補をハン候補に交替する作業に入ったのだ。
シン報道担当の説明によると、10日午前4時ごろまでに党の非常対策委員会が「党憲74条の2」に記載されている「相当な事由」を根拠として党選挙管理委員会に新たな候補の選出を要請し、党選管が採決を行う。その後、ハン候補が国民の力に入党願書を提出すれば、非常対策委の採決を経て入党手続きが完了し、直ちにハン候補を党の新たな大統領候補として登録する手続きまで済ませる計画だ。
党指導部は、7日に実施した全党員投票で「候補登録(11日)の前に候補の一本化を実現すべき」とする意見が87%に達したことを「相当な事由」だとしている。8~9日には両候補のうちどちらが党の大統領候補として適しているかを問う調査(党員投票50%+一般国民世論調査50%)を実施し、ハン候補の方が党の大統領候補として適しているという結論を下している。
この手続きの完了後、選管がハン候補について全党員に対して賛否を問う世論調査を実施。党指導部は、全国委員会の採決で党の最終的な大統領候補を決める計画だ。
キム候補側は、党指導部が候補の再選出手続きを強行したとしても、予定通り10日午前に中央選挙管理委員会に国民の力の大統領候補として登録するとの立場だ。キム候補側のキム・ジェウォン秘書室長は9日夜、一本化に向けた2回目の実務協議が決裂した直後、記者団に対し、党指導部が候補の再選出手続きを進めることを決めたことについて、「憲法と法律、党憲と党規、人間の常識に反しており、根本的に違法で無効な行為」だと非難しつつ、このような立場を明らかにした。