米国エネルギー省(DOE)が韓国を「センシティブ国」に分類するということが知られ、原子力や人工知能(AI)などの米国の先端技術分野での協力に支障が生じる可能性があるとの懸念が提起されているなか、与党「国民の力」からは、大統領予備選の候補まで加勢して「核潜在力」を確保すべきという主張が連日なされている。
ソウル市のオ・セフン市長は11日午前、国会の「むくげフォーラム」(代表: 国民の力のユ・ヨンウォン議員)が主催した「核潜在力確保のための安全保障討論会」に参加し、「核拡散防止条約(NPT)のもとで、平和的にウランを濃縮する権限があるにもかかわらず、韓国は米国の制裁によって、それさえできずにいる」として、「これはアンフェア(不公平)だ」と述べた。オ市長はさらに「20%未満のウラン濃縮は当然できるようにするなど、韓国の目標は、少なくとも日本のレベルの核潜在力を確保すること」だと主張した。
オ市長はこれに関連して、対米投資の拡大や防衛費引き上げを「カード」として活用できるとも述べた。オ市長は「重要な国家安全保障の能力に関することは譲歩できず、それ以外の対米投資や防衛費引き上げの要求は適切に聞き入れる実利的な交渉が必要だ」とし、「米国のドナルド・トランプ大統領に与えるものは与えながらも、守ることは必ず守り、また、受け取るものは受け取る『ギブ・アンド・テイク』の取引をしなければならない」と主張した。
近年韓国で台頭している核武装論に歯止めをかけるため、米国政府が史上初めて韓国をセンシティブ国に分類し規制する措置に着手することになったと指摘されているが、与党からは依然として、北朝鮮の核・ミサイルによる脅威の増大など国内外での安全保障の危機を解決する案として、自主的な核武装と潜在力の確保を主張する声が続いている。
センシティブ国に指定された場合、韓米間の原子力やAIなどの先端技術分野での協力が制限され、韓国は先端技術戦争で大きな打撃を受けることになる。また、韓国政府が核潜在力の確保に乗り出す場合、米国のみならず主要国の反対によって、外交的な困難に直面する可能性があると懸念されている。オ市長はこのような指摘について、「韓国はすでに核ミサイルを保有する北朝鮮と軍事的に対立している状況にあるにもかかわらず、ウラン濃縮のような権限を隣国の日本レベルで確保するということについて、国際社会が過度に懸念し反対するのは韓国の主権にかかわる問題だ」と反論した。
オ市長のほかにも、「国民の力」のもう一人の大統領予備選候補として挙げられるハン・ドンフン前代表も6日、「NPT脱退は難しいとはいえ、核武装をいつでもできる準備は必要だ」と述べている。