本文に移動

「憲法裁たたき潰そう」…韓国保守与党議員のブレーキなき「極右化暴走」

登録:2025-03-03 08:02 修正:2025-03-03 09:21
国民の力のキム・ギヒョン、チュ・ギョンホ両議員らが1日、ソウル汝矣大路で開催されたセーブコリア主催の「三一節国家非常祈とう会」に参加している/聯合ニュース

 与党「国民の力」の議員たちによる「憲政秩序の否定」が度を越している。大統領弾劾審判の判決を控えて激化している憲法裁判所に対する蔑視と揺さぶりが、ついに「憲法裁破壊扇動」にまで至ったのだ。早期大統領選挙の可能性が高いだけに、精製されていない極端な発言と行動は減るだろうという世間の予想をあざ笑うかのように、「極右化」の一本道をブレーキのない機関車のように暴走している。

 同党のソ・チョンホ議員は1日、保守系キリスト教団体「セーブコリア」の主催する汝矣島(ヨイド)集会で、「違法と迷走を繰り広げる高位公職者犯罪捜査処、選挙管理委員会、憲法裁判所、すべてたたき壊さなければならない。たたき潰そう」と述べた。国民の力の現役議員が弾劾に反対する保守集会に参加し、極右的な主張に同調する発言をおこなったことはあるが、選管のような独立的な憲法機関や憲法裁という最高司法機関に狙いを定めて「たたき壊さなければならない」、「たたき潰そう」と扇動したのは初めて。この場にはキム・ギヒョン、ナ・ギョンウォン、チュ・ギョンホら37人の国民の力の議員、ウォン・ヒリョン前国土交通部長官やキム・ソンテ元院内代表ら院外の重要人物らが参加した。

 元警察官のソ議員は、釜山(プサン)地方警察庁長として在職中だった李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2011年に「インターネットコメント世論操作」事件に関与し、2019年に懲役6カ月、執行猶予1年が確定した。当時、事件を捜査したのは尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領だが、第22代総選挙を前に「赦免」措置を取ってソ議員に公認の道を開いたのも尹大統領だ。

 同日、チョン・グァンフン氏の率いる「大韓民国立て直し国民運動本部」の光化門(クァンファムン)集会では、「違法な弾劾裁判を主導したムン・ヒョンベ、イ・ミソン、チョン・ゲソン(裁判官)を直ちに処断しよう」というキム・ヨンヒョン元国防部長官の獄中書簡が朗読された。「憲法裁判官の処断」を扇動する内乱主犯の過激な発言が、フィルターを通すことなく伝えられたのだ。この集会にはパク・テチュル、カン・スンギュ、ナ・ギョンウォンら国民の力の議員たちが参加した。

 党指導部は、ソ議員らの発言に対して「個人的な立場」であるとの公式の立場を堅持しているが、内部的には「今回はやりすぎだ。党レベルの対策を早急に講じるべきだ」という懸念が示されている。党指導部の主要関係者は、「(与党議員が)憲法裁などをたたき潰そうと述べたのは一線を大きく越えた発言だ。中道層の支持が下がり続けている中、議員たちの発言は逆行している。党レベルの議論が必要だ」と述べた。しかし、クォン・ソンドン院内代表は三一節(3・1独立運動記念日)の記念式の終了後、記者団に対し、「(集会に)行くか行かないかは各自が判断して決めることにした」と述べた。

 野党「共に民主党」は「国民の力は極右の迷夢にはまっている」と批判した。ファン・ジョンア報道担当はブリーフィングで、「法治と民主主義を守るべき国会議員が、逆に熱烈な支持層に弾劾への不服従を扇動し、暴動を教唆した」と批判しつつ、「憲法裁判所をたたき潰そう」と主張したソ・チョンホ議員の即時除名を求めた。

ソ・ヨンジ、コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1184985.html韓国語原文入力:2025-03-02 18:14
訳D.K

関連記事