ネイバーの個人情報流出事故を口実に日本政府がLINEヤフーに経営体制の改善を要求したことで触発された「LINEヤフー問題」をめぐり、日本メディアはネイバーの管理責任を取り上げ、日本政府の立場を代弁する報道に偏っているとする分析が公開された。今回の事件が韓国と日本の外交関係に及ぼす悪影響を懸念する声は少数にすぎなかった。
韓国言論振興財団(言論財団)は29日に発表した「メディアブリーフ:LINEヤフー問題を眺める日本メディアの見解」でこのような内容を伝えた。言論財団のチェ・ミンジェ首席研究員と東国大学のイ・ホンチョン教授は、1月1日から今月19日までの間に日本の5大新聞社が報じた関連記事と社説を分析した。この期間中の「LINEヤフー」や「行政指導」などのキーワードを含む報道は合計66件あり、日本政府の措置を支持する論調が大半を占めた。
政治的傾向にかかわらず、どの日本メディアも個人情報の管理問題に苦言を呈した。読売新聞は3月12日の社説で「LINEヤフーは責任の重さを自覚し、管理体制を改める必要がある」と書き、産経新聞も「信頼に足る経営体制に刷新しなければならない」(3月7日)と主張した。リベラル傾向と評される朝日新聞も「個人情報の保護が徹底されなければLINEというサービスも存続し得ない」(4月10日)と主張した。
これは、LINEヤフーとネイバーの資本関係見直しを要求した日本の総務省の行政指導に呼応する報道につながった。読売や産経などは総務省の介入を肯定的に評価したり、「当然の措置」とみなしたりした。研究チームは「情報流出に対する厳しい指摘は明らかだが、問題を解決する方法には疑問を覚える」として、「政府の発表内容を批判なしにそのまま伝える『発表ジャーナリズム』の慣行が表れている」と評した。
一部には批判的な分析もあった。経済週刊誌の東洋経済は「LINEヤフーへの行政指導が悪手である3つの理由」と題する記事を通じて、総務省が要求する資本関係見直しの要求とネイバーのセキュリティ強化の間の論理的な結びつきが不十分であり、今回の措置が2003年に締結された「日韓投資協定」に抵触する余地があると批判した。この協定は、両国が相互投資した企業を自国企業と同等に待遇しなければならない(内国民待遇)とする内容を含んでいる。
LINEヤフーは日本で圧倒的なユーザー数を持つメッセンジャーアプリ「LINE」のサービスを運営する企業で、ネイバーとソフトバンクがそれぞれ半分ずつ出資した「Aホールディングス」が大株主となっている。昨年11月にネイバークラウドを通じて51万件の個人情報が流出する事故が発生すると、これについて、日本の総務省が2回にわたりLINEヤフーに「ネイバーに依存している資本関係の改善を検討せよ」とする要旨の行政指導を行い、国家間の「経営権奪取論争」が起きた。