「答えられない」、「把握していない」、「何も確認できることがない」
1日午前、北京の韓国大使館で開かれた定期ブリーフィングに臨んだ大使館関係者たちは、46分間続いた記者団の質問に、このような答弁を繰り返した。
同日のブリーフィングは、チョン・ジェホ駐中大使が月に一度行う定期ブリーフィングで、予定通りならチョン大使が自ら主催しなければならなかった。だが、チョン大使は自身の「パワハラ疑惑」が明らかになった翌日の先月29日午後遅く、「一身上の理由で公使参事官ブリーフィングに切り替える」とし、自身のブリーフィングを取り消した。部下職員にパワハラで通報されたチョン大使が困難な状況に追い込まれ、自身は後ろに隠れて再び部下職員を矢面に立たせたわけだ。
この日、記者団は大使のパワハラ疑惑について矢継ぎ早に質問した。「パワハラ疑惑に対する大使の立場は何か」、「大使がブリーフィングを取り消す際に挙げた、一身上の理由とは何か」、「ブリーフィングを取り消したが、今後大使の他の日程も取り消すのか」、「外交部のパワハラ調査はどのように進められるか」などの質問だった。突然ブリーフィングに臨むことになった大使館関係者たちは困った表情で「答えられない」、「これまでの説明の他に申し上げられることはない」という趣旨の答弁を繰り返した。
彼らはチョン大使がこの日出勤したかを尋ねる質問にもはっきりと答えられず「分からない、確認してみる」と語った。この日、大使館側は午後遅くになってようやくチョン大使が「午前中に半休を取った」と説明した。大使館側は、チョン大使がなぜ半休を取ったのかについては明らかにしなかった。
チョン大使が同日午前に出勤しなかったことで、毎週月曜日午前に開かれる職員全体会議も翌日に延期された。パワハラ疑惑が報道された後、チョン大使のブリーフィング取り消しなど釈然としない行動で、大使館全体の業務システムがかなりの負担を受けていた。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のソウル沖岩高校の同期で、ソウル大学政治外交学部教授出身のチョン大使は、就任直後に北京駐在特派員団と軋轢があり、現場の質問を受け付けない、いびつな形のブリーフィングを1年以上続けている。昨年10月の国政監査で出た資料によれば、チョン大使は就任以後10カ月間、現地の要人と会うのに使う「ネットワーク構築費」を活用して中国外交部と接触した回数は1件に過ぎなかった。