金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長は18日、西部地区の砲兵部隊の600ミリ超大型放射砲射撃訓練を指導し、「圧倒的な軍事力を抑止力にして武力衝突と戦争の可能性自体を完全に除去し、我が国の平和と安定、主権を死守する強力な意志を表明された」と、労働新聞が19日付で報道した。
金正恩総書記は、「武力衝突が起き、戦争が起きれば、壊滅的な結果を免れないという認識を敵に植え付けておく必要がある」とし、このように述べた。また「わが軍が保有する破壊的な攻撃手段が、常時敵の首都と軍事力構造を崩壊させることができる完備された態勢で、戦争の可能性を遮断し抑止する使命の遂行を一層徹底しなければならない」とし、「砲兵武力の強化と砲兵戦争準備の完成に向けた重大な戦略課題を提示された」と、同紙は報じた。
労働新聞は、同日の射撃訓練が600ミリ大型放射砲を使用した初の「中隊単位の一斉射撃」だと報道した。さらに「中隊の一斉射撃後、超大型放射砲弾による目標上空の設定高度での空中爆発模擬試験も行われた」と付け加えた。同紙の報道によると、チャン・チャンハ・ミサイル総局長とキム・ジョンシク労働党中央委副部長が訓練を講評したという。
韓米軍当局は600ミリ超大型放射砲を短距離弾道ミサイルに分類している。これと関連し、合同参謀本部は「18日、北朝鮮が平壌(ピョンヤン)一帯から東海(トンヘ)上に発射し、300キロメートル余りを飛行した短距離弾道ミサイルと推定される飛翔体数発を(レーダーで)捉えた」とマスコミに公示した。
これに先立ち、金総書記は2022年12月31日、労働党中央委本部庁舎の庭園で開かれた「600ミリ超大型放射砲30門贈呈式典」に出席して行った演説で、「南朝鮮全域を射程に収め、戦術核の搭載まで可能なもの」だと述べた。北朝鮮側はその翌日の2023年1月1日、「人民軍西部地区の長距離砲兵区分隊が超大型放射砲で1発の放射砲弾を朝鮮東海に向けて発射した」として、初めて射撃訓練を行った事実を明らかにした。