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北朝鮮、北西の島しょ地域から3日連続で砲射撃…キム副部長「投げた餌に食いついた」

登録:2024-01-08 00:25 修正:2024-01-08 07:41
北朝鮮「6日には爆薬で心理戦」と主張  
韓国軍「コメディーのような低級の扇動」と一蹴
労働新聞は昨年10月10日、朝鮮労働党の金正恩総書記が昨年9月と10月に北朝鮮軍の戦術核運用部隊と長距離砲兵部隊、空軍飛行隊の訓練を見守ったと報じた。当時、北朝鮮が公開した砲兵訓練の写真/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮が今月5日から7日まで3日連続で北西の島しょから砲射撃を行った。キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委員会副部長が、6日に行なったのは爆薬を爆発させ砲射撃に見せかける「欺瞞」だったと主張したことに対し、合同参謀本部は「低級な心理戦に過ぎない」と一蹴した。

 合同参謀本部は7日、「北朝鮮軍は今日午後4時頃から午後5時10分頃まで延坪島(ヨンピョンド)北方で90発以上の射撃を実施した」と発表。さらに「韓国軍は総選挙を控えて予想される北朝鮮の挑発を鋭意注視しており、万全の軍事態勢を整えている」とし、「敵が挑発した場合は『即時に、強力に、最後まで』の原則に基づき、圧倒的かつ断固として報復する」と述べた。合同参謀本部によると、北朝鮮軍の砲弾は北方限界線(NLL)以南には落ちていない。

 これに先立ち、北朝鮮は5日午前、白ニョン島(ペクニョンド)北方の長山(チャンサン)岬一帯などで海岸砲を中心に200発余りの射撃を行った。砲弾はほとんど海上緩衝区域に落下しており、北方限界線(NLL)以北7キロメートルまで近接した。さらに6日午後にも、合同参謀本部は「北朝鮮が延坪島北西方で60発以上の射撃を実施した」と発表した。

 しかし、キム副部長は7日の談話で、「わが軍は130ミリ海岸砲の砲声に似せた発破用爆薬を60回爆発させ、大韓民国軍部のならず者たちの反応を見守った」と述べた。また「爆薬が爆発する音を砲声と間違え、砲射撃による挑発だと憶測し、ずうずうしくも西海(ソヘ)の北方限界線北方の海上緩衝区域に落ちたという嘘をついた」と主張した。キム副部長は「大韓民国軍部のならず者たちは我々が投げた餌に食いついた」と述べた。爆薬を活用した欺瞞に韓国軍がだまされたという主張だ。さらに「韓国軍のならず者たちは、そのまま意地を張り続けると、自分たちが口癖のように唱える『即時に、強力に、最後まで』が『即死、強制死、最後に』になりかねないことを、肝に銘じるべきだ」と語った。

 キム副部長の談話に対し、合同参謀本部は「韓国軍の探知能力に対するレベルの低い対南心理戦だ」とし、「コメディーのような低級な扇動で、韓国軍の信頼を傷つけ、韓国国内で対立を引き起こそうとする北朝鮮の常套手段に過ぎない」と反論した。

 南北間の衝突を防ぐ役割を果たしてきた9・19南北軍事合意が形骸化したことで、西海で北朝鮮の心理戦と武力示威が一層激しくなるという懸念が高まっている。北韓大学院大学のキム・ドンヨプ教授は「9・19南北軍事合意が破られたことで、北朝鮮が動ける範囲が広がり、これを積極的に利用している」とし、「9・19南北軍事合意締結以前よりもさらに状況が悪化してしまった」と述べた。

シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1123343.html韓国語原文入力:2024-01-07 22:17
訳H.J

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