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児童に対する性的暴行犯のチョ・ドゥスンが出所した2020年12月、京畿道安山市のチョ・ドゥスンの住居地前で市民がプラカードを掲げて抗議している=資料写真//ハンギョレ新聞社

　再犯の危険性が高い性犯罪者に限り、出所後に国が指定した施設に住まわせる「韓国型ジェシカ法」が推進される。危険性の高い性犯罪者から潜在的な被害者を保護するための方策だとする意見と、刑期を終えた犯罪者に対する二重処罰だとの懸念とが同時に示されている。政府は、高危険性犯罪者に薬物治療を義務付ける改正案も推進することを決めた。

　法務部は24日、「高危険性暴力犯罪者の居住地制限などに関する法律」制定案を26日に立法予告すると明らかにした。立法予告期間を経て最終的な法案を作成し、国会に提出する予定だ。

　同法案には、裁判所が高危険性暴力犯罪者の居住地を国や地方自治体などが運営する施設に制限できるとする内容が盛り込まれる。13歳未満の児童に対する性暴力、または3回以上性暴力を犯した電子装置付着対象者のうち、性犯罪で10年以上の刑を受けた者が対象となる。高危険性犯罪者が学校周辺に住むことを制限するなど、性犯罪者に対する厳罰を制定した米国の「ジェシカ法」から着想を得たもの。

　同法が施行されれば、検事の請求により、裁判所は犯罪者の電子装置付着期間内に居住地制限期間を定められるようになる。制度が実施されれば、すでに出所しているが電子装置を取り付けている児童性犯罪者も適用対象に含まれる。法務部の発表によると、現在のところ325人が制定法の適用対象者となる。2023～2025年の出所者では、2023人69人、2024年59人、2025年59人が追加適用される可能性がある。現在の基準ではキム・グンシク、チョ・ドゥスンらが該当する。

法務部のハン・ドンフン長官が24日午後、政府果川庁舎で、高危険性犯罪者の居住地を制限する、いわゆる「韓国型ジェシカ法」立法予告について説明している/聯合ニュース

　法務部は、このような処分により高危険性犯罪者の居住地の近隣住民の不安を解消し、再犯も防げると説明した。ハン・ドンフン法務部長官はこの日のブリーフィングで、「常習的・略奪的に恐ろしい性暴力を犯した高危険性犯罪者が出所するたびに、国民が非常に不安に思うことに共感する」とし、「彼らがどこに居住するかは、国民の日常や安全に直結する問題」だと立法推進の背景を語った。

　しかし、すでに刑期を終えた犯罪者の居住地を制限することは「二重処罰」だとの主張もなされている。施設周辺住民の反発も予想される。

　韓国刑事・法務政策研究院のキム・デグン研究委員はハンギョレの電話取材に対し、「居住地制限命令は拘禁の別の形態で、すでに違憲判断が出ている保護収容制（再犯の危険性が高い凶悪犯を出所後も刑務所とは別の収容施設で一定期間隔離する制度）を迂回する面があり、犯罪者の社会復帰を妨害する恐れがある」とし、「居住制限対象者の家族の住居移転の自由も侵害するなど、連座制としての効果もある」と語った。

　違憲だとの批判に対してハン・ドンフン法務部長官は、「指定された場所で一日中出られないようにカギをかけておく方式ではない。住居地だけを特定の場所に制限するものだ」とし、「現在も住居に不正があった電子監督対象者の場合、居住地を特定施設に指定する制度を運用している。憲法が許す範囲内にあると思う」と述べた。施設の近隣住民の反発については「法案が国会で可決されたとしても、6カ月～2年の猶予期間を取って施行される。今の段階で地域を特定すれば、議論がすべてそちらの方向へと流れてしまうだろう」と述べた。

　法務部は、検事が高危険性犯罪者に対して義務的に専門医による鑑定を要請し、性的倒錯患者だと判断された場合、性衝動の薬物治療命令を請求できるようにする「性暴力犯罪者の性衝動の薬物治療に関する法律」改正案も26日に立法予告すると明らかにした。性衝動の薬物治療は、ホルモン代替療法によって性犯罪者の性欲を抑制する治療だ。ハン長官は「2011年に性衝動薬物治療制度が実施されてからこれまでに治療を受けた75人のうち、再犯者はたった1人だった。一方、薬物治療請求が棄却された人のうち10％は2年以内に再び罪を犯した」とし、制度導入の必要性を強調した。