本文に移動

プーチン大統領、北朝鮮の衛星開発支援の意向…金正恩委員長「ロシアと共に戦う」

登録:2023-09-14 07:57 修正:2023-09-14 08:20
北朝鮮・ロシア首脳「2時間会談」
北朝鮮の金正恩国務委員長(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が13日(現地時間)、ロシア・アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で会談し握手している。両首脳が会談するのは2019年4月以来4年5カ月ぶり/聯合ニュース

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は13日、ロシア・アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と首脳会談を行い、北朝鮮に軍事偵察衛星開発技術を支援する方針を明らかにした。また、ロシア側は「発表されてはならないセンシティブな分野の協力を履行する」と述べており、ウクライナ戦争を遂行中のロシアに北朝鮮の砲弾などの通常兵器を支援する案も議論されたと推測される。韓米日の安全保障協力の強化に対抗し、北朝鮮とロシアも国連の対北朝鮮制裁を無視して軍事協力の水準を高め、国際情勢にも大きな波紋が予想される。

 金委員長とプーチン大統領はこの日、ボストーチヌイ宇宙基地で約2時間会談した。金委員長は会談後の晩餐会の場で「プーチン大統領と朝鮮半島および欧州の政治状況について議論した」とし、「両国が戦略的協力を強化する必要があるという結論に至った」と述べた。

 両首脳は、共同宣言文などの形式の文書には署名せず、記者会見も行わなかった。だが、プーチン大統領は会談に先立ち、北朝鮮の人工衛星開発を支援するのかを尋ねる記者団の質問に「だからこそ我々はここ(宇宙基地)に来たのだ」とし、「金委員長はロケット技術に強い関心を示している。北朝鮮代表団は北朝鮮の優秀なプログラムを開発しようと努力している」と述べた。また、北朝鮮と軍事・技術協力を議論するのかという質問には「我々は急ぐことなく、すべての問題を議論するだろう」と述べた。

 これに関連してプーチン大統領は、北朝鮮との軍事技術協力の可能性に言及した。プーチン大統領は会談後、ロシアのテレビ局「チャンネル1」の番組に出演し、「金正恩委員長との会談で軍事技術協力の問題が議論されたのか」という質問に、「もちろん、制約(国連の対北朝鮮制裁)があり、ロシアはこの制約を順守している。しかし我々が議論して考えることはある。そして、その可能性はある」と述べた。

 ロシアは、偵察衛星の技術支援の対価として、ウクライナ戦争用の武器提供を北朝鮮に要求した可能性が高いとみられる。ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、会談に先立ち「武器取引が議論されるのか」という質問に、「近隣諸国として、我々は公開あるいは発表されてはならないセンシティブな分野の協力を履行する」と述べた。

 金委員長がウクライナ戦争を遂行中のロシアに対する全面的な支持を再確認するなど、両首脳は緊密な連帯を強調した。金委員長は首脳会談の冒頭発言で、「帝国主義に対抗して戦い、主権国家を建設するために、常に共にする」と述べた。金委員長は晩餐会でも、「我々は覇権を主張して膨張主義者の幻想をふくらませる悪の結集を罰し、安定した発展環境を作るために神聖な闘争を行うロシアの軍と国民が、悪に対抗して勝利すると確信している」と述べた。プーチン大統領は金委員長について「真の友人であり、北朝鮮とロシアの緊密な関係構築を支持し、北朝鮮を建国した優れた政治家たちが提示した道に断固かつ自信を持って従っている」と述べた。

 ウィ・ソンラク元駐ロシア大使は「武器取引や宇宙協力などの合意が裏であったとみられる」としたうえで、「ロシアを皮切りに、北朝鮮が中国とも接触を試みる可能性が高い」と分析した。

シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1108433.html韓国語原文入力:2023-09-14 02:42
訳M.S

関連記事