東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議に出席するためインドネシアのジャカルタを訪問中の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が7日(現地時間)、中国の李強首相との会談で、「北朝鮮の核問題が悪化すればするほど、韓米日協力も強化されざるを得ない」とし、「北朝鮮問題が韓中関係の障害にならないことを望む」と述べた。
尹大統領は同日、ジャカルタ・コンベンション・センターで李首相と会談し、「北朝鮮の核は韓国にとって実存の問題だ。北朝鮮の核問題が解決されなければ、韓米日協力体系はさらに強固にならざるを得ない。中国が安保理常任理事国としての責任と役割を果たしてほしい」とし、このように述べた。キム・テヒョ国家安保室第1次長と大統領室が伝えた。
中国経済を総括する李首相は、ASEAN関連会議に習近平国家主席の代わりに出席した。尹大統領は昨年11月、インドネシアのバリで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、習主席と韓中首脳会談を行った。李首相は尹大統領の発言に対し、中国の立場を短く示したが、大統領室はこれを公開していない。大統領室高官は「北朝鮮の核、ミサイル問題を処理する過程で、韓国が中国とともに役割を模索することを望んでいるかどうかについて考える契機になっただろう」と述べた。
尹大統領はこの日の会談で、韓中日首脳会議をできるだけ早く韓国で開催できるよう中国の協力を要請しており、李首相は「積極的に呼応する」と答えたという。韓国は次期韓中日会議の開催国だ。大統領室高官は、年内に韓中日首脳会議が開かれる可能性が高いとしながらも、「日本もこれに反対しておらず、ひとまず韓中日会議を設け、それを動力として韓中のまた別の高官級会談や首脳会談を進めるとともに、ASEANとアジア太平洋地域における韓中日の協力事業を模索していけるだろう」と述べた。韓中日首脳会議は、2019年12月に開かれた中国の成都での会議を最後に中断されている。
尹大統領と李首相は経済協力も強調した。尹大統領は「韓中はいずれも多国間主義と自由貿易秩序を支持しているため、その前提となるルールに基づいた国際秩序の構築のために協力しよう」と述べた。キム・テヒョ第1次長は「国際社会において多国間で合意された慣行とルールを守れば、韓中両国レベルで多くの問題を減らし、信頼を築けるという趣旨」だと説明した。
尹大統領と李首相は同日午後3時25分から51分間にわたり会談を行った。李首相は習主席の挨拶を尹大統領に伝え、「韓国と中国は近い隣人だ。遠い親戚より近くの隣人ということわざのように、(隣人同士で)協力して仲良く過ごせば、大切で価値のある関係になるだろう」と述べた。これに対し、尹大統領は「今後高官級でさらに活発な韓中交流が続くことを望んでいる」と語った。