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[社説]朝ロ密着で高まった朝鮮半島の緊張を管理する外交が必要だ

登録:2023-09-07 06:15 修正:2023-09-07 08:05
北朝鮮の金正恩国務委員長が2019年4月25日、ロシアのウラジオストクを訪問し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と首脳会談を行う前に握手している=ウラジオストク/AP・聯合ニュース

 北朝鮮とロシアが戦略的、軍事的に密着を強めている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が近くロシアを訪問し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と首脳会談を行う見通しだ。北朝鮮とロシアが武器と軍事技術をやりとりする「危険な取引」に乗り出し、冷戦時代を超える協力体制を確立すれば、韓国はこれまでにない安全保障危機に陥る可能性が高い。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は6日、韓・ASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議で、ロシアに対し「国際社会の平和を損ねる北朝鮮との軍事協力の試みを直ちに中断すべきだ」と述べた。ホワイトハウスのジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は5日、「北朝鮮がウクライナ戦争で使われる武器をロシアに提供した場合、代償を払うことになるだろう」と述べた。韓米政府がともに朝ロ軍事協力に対する警告メッセージを発したわけだ。

 金正恩委員長のロシア訪問と朝ロの武器取引が実現した場合、韓国にとっては極めて深刻な安全保障上の脅威になる。北朝鮮はロシアに武器を供給する見返りとして、ロシアから原子力潜水艦、偵察衛星技術などの確保を目指しているためだ。さらに、朝ロが戦略的協力を強化すれば、北朝鮮は国連安保理常任理事国であるロシアの全面的な支援のもと、制裁を無力化することで、より大胆な核・ミサイル開発を加速化させるだろう。さらに深刻なのは、北朝鮮がロシアとの密着をテコに朝中ロ合同軍事演習などに進めた場合、朝鮮半島周辺で韓米日対朝中ロの軍事的対峙が本格的に展開される状況だ。

 安保理常任理事国のロシアが国際的責任を完全に忘れ、ウクライナ侵攻に踏み切った挙句、武器不足で北朝鮮との危険な取引に乗り出したことは嘆かわしい。しかし、尹錫悦政権も「韓米日」軍事協力一辺倒の外交の悪影響を認識し、緊張を管理する外交にさらに力を入れなければならない。先月のキャンプデービッド首脳会談で、韓米日が「準同盟化」に合意した後、これに対する反作用で朝中ロと真正面から対峙する危険性が高くなった。その上、尹大統領は中国とロシアを過度に刺激し、外交を国内の理念政治に活用することで、状況をさらに悪化させた。これからは中国との外交がさらに重要になる。中国は今年7月、東海でロシアと合同演習を行ったが、ロシアに対する武器支援は控えており、韓国との関係も安定的に管理しようとするシグナルを送っている。多方面に外交活動を通じて韓中関係を管理しながら、朝中ロが軍事的密着に進まないようにする全面的な外交が求められる。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1107412.html韓国語原文入力:2023-09-07 02:40
訳H.J

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