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福島への「韓国専門家の常駐」から「定期的な訪問」に…韓国政府の後続対策も後退

登録:2023-08-23 06:49 修正:2023-08-23 07:12
日本の汚染水放出に関する韓国政府の後続措置
日本政府が24日から福島原発汚染水を放出すると発表した22日午後、パク・クヨン国務調整室第1次長(左)がソウル鍾路区の政府ソウル庁舎で開かれた原発汚染水の海洋放出に関する定例会見で、韓日両国間の協議内容と政府の立場を説明した後、対応方針について述べている/聯合ニュース

 日本が今月24日から福島第一原発汚染水の海洋放出を行う決定を下したこと受け、韓国政府は「汚染水の海洋放出が国民の健康に影響を及ぼさないよう、二重三重に点検する」とし、波紋の最小化に乗り出した。韓日は汚染水の放出の後続措置として、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が求めた「原発における韓国専門家の常駐」の代わりに「定期的な現場訪問」に合意したが、政府は「これなら(日本などが)誠意を示したといえる」と評価した。

 パク・クヨン国務調整室国務第1次長は22日午後、政府ソウル庁舎で汚染水関連の定例会見(毎日実施)を開き、先月から韓日政府が協議してきた汚染水放出の後続措置の最終合意結果を発表した。パク次長は「日本側が放出開始の決定について事前に(21日)知らせてきた」とし、「政府は汚染水放出計画において科学的・技術的問題はないと判断した」と述べた。ただし、「韓国政府が汚染水の放出に賛成したり、支持するわけではない」とし、「実際の放出に当たり、少しでも計画と異なる点があれば、韓国国民の安全と健康を脅かすものと判断し、日本側に直ちに放出の中断を要請する」と語った。

 両国の最終合意で、尹大統領が先月12日の韓日首脳会談で要求した「福島原発の現場事務所に韓国人専門家が参加すること」は、「韓国専門家が定期的に国際原子力機関(IAEA)の福島原発現場事務所を訪問」することに縮小された。これは日本だけでなくIAEAとも協議が必要な事案だ。パク次長は「IAEA側が私たちの要請を積極的に反映して現実性のある最善策を提案したもの」だとし、「政府はIAEAが提案した案が専門家派遣に準ずる実効的モニタリング方法だと判断した。これなら(日本などが)誠意を示したといえると考え、再び(専門家の常駐を)イシュー化する計画はない」と述べた。

 パク次長はまた、日本の放出施設に異常が発生した場合、両国の規制当局と外交当局が迅速に情報を共有する「二重のホットライン」構築に合意したと明らかにした。日本側はIAEAと協力して放出移送設備の放射線濃度、汚染水の流量、希釈後のトリチウムの濃度などを1時間単位でホームページに掲載し、このような情報を韓国語でも提供することにした。

 政府は7月末から実施中の海洋放射能のモニタリング範囲を国内海域から太平洋島しょ国の近海と日本近隣の北西太平洋公海領域にまで広げることにした。また、モニタリングを通じて確保したデータを基に汚染水の海洋拡散シミュレーションを追加で実施し、汚染水が及ぼす影響をあらかじめ点検することにした。

 これに対し、原子力安全研究所のハン・ビョンソプ所長は「リアルタイムのモニタリングの提供などは枝葉の問題だ。政府はIAEAも確認できなかった多核種除去設備(ALPS)全体の安全性確保案の提示を求めるべきだった」とし、「(両国の合意には)何の価値もない内容が含まれただけ」だと批判した。「原子力安全と未来」のイ・ジョンユン代表は「直接汚染水タンクを調査しようと提案しない限り、国民の信頼を得ることは難しいだろう」と指摘した。

 一方、与党の国民の力は「国民の不安と恐怖を煽り、政治的利益を得ようとするフェイクニュース集団は巷のチンピラよりもさらに悪い集団」(パク・デチュル政策委議長)だとし、福島原発汚染水の海洋放出に反対する側の主張を「怪談」と非難した。

シン・ミンジョン、ソ・ヨンジ、ナム・ジョンヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1105382.html韓国語原文入力: 2023-08-23 02:43
訳H.J

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