韓国の市民団体と野党が、福島原発汚染水の海洋投棄に反対する188万人の国民署名を大統領室に伝えた。
「日本放射能汚染水海洋投棄阻止共同行動」(以下共同行動)と共に民主党、正義党、基本所得党、進歩党の野党4党は18日午前、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室前で「200万国民署名伝達記者会見」を開いた。
共同行動は福島原発汚染水の海洋投棄に反対▽国際海洋法裁判所への提訴▽汚染水の日本国内保管などを韓国と日本政府に要求し、今年5月から全国で署名運動を始めており、同日まで計187万8185人の署名を集めた。
「福島核汚染水投棄反対釜山運動本部訪日代表団」のイ・ウォンギュ実務チーム長は、「保守的だという釜山(プサン)で、1カ月で11万1678人の署名が集まった」とし、「この署名用紙が本当の世論であり、厳しい国民の声に背を向けず、重く受け止めてほしい」と述べた。彼らは記者会見後、汎国民署名運動の署名用紙をチョン・ヒギョン大統領室政務第1秘書官に手渡した。
この日開かれた記者会見では、原発汚染水を放流するのであれば韓国の総選挙に影響を及ぼさないよう早期に実施するよう韓国政府が日本側に要請したという内容の朝日新聞の報道が俎上に上がった。朝日新聞が16日付で「日韓関係の改善、加速の考え強調 尹大統領」という見出しの記事で、「韓国はすでに来春に控える総選挙に向け『政治の季節』に突入しつつある」とし、「尹政権と与党内では、当面懸案である東京電力福島第一原発の処理水放出が避けられないのであれば、むしろ(韓国の)総選挙に悪影響が少ない早期実施を求める声が出ている」と報じたことが取り上げられたのだ。
正義党のカン・ウンミ議員(正義党 福島汚染水無断投棄阻止TF団長)は「朝日新聞の報道が事実ならば、国内政治に日本政府の干渉を要請すること」だとし、「政府は日本の反環境的な海洋犯罪の共犯を通り越して主犯と言える」と批判した。
共に民主党のキム・ソンファン議員(共に民主党 福島汚染水海洋投棄阻止対策委員会戦略企画本部長)は「政府は日本政府の立場を代弁するのではなく、大韓民国国民の生命と安全を守る本分を取り戻してほしい」とし、「大統領が韓国国民の意思を代弁できないならば、私たちが最後まで福島原発の汚染水の海洋投棄を積極的に防ぐという意志を明らかにする」と述べた。
一方、政府は「韓国政府が日本側に早期放出を要請した事実は全くない」とし、17日に続き同日も朝日新聞の報道に反論した。パク・クヨン国務調整室国務第1次長は同日、政府ソウル庁舎で行った日本の原発汚染水関連の定例会見(毎日実施)で、「汚染水の放出に対する韓国政府のすべての判断は国民の健康と安全に焦点が当てられており、一切の政治的考慮を排除し、徹底した科学的検討に基づいている」とし、「今日のブリーフィング以降(政府が日本側に早期放出を要請したという)このような内容の報道や主張は控えてほしい」と述べた。