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韓国の薬学部教授「処理された福島原発の汚染水を持ってくれば飲んでみせる」

登録:2023-06-08 20:05 修正:2023-06-09 06:53
忠北大学のパク・イルヨン教授、BRIC掲示板に書き込み 
「科学とかけ離れた主観的見解の増幅 
国民の恐怖ばかり増大させているため」 
日本には周辺国による「試料の直接採取」許可を求める 
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 「私は処理された福島の汚染水を持ってくれば、放流濃度に薄めて飲んでみせる」

 忠北大学薬学部のパク・イルヨン教授が最近、生物学研究情報センター(BRIC)のホームページの公開掲示板に福島原発の汚染水論争と関連して「科学で判断する事案を主観的な印象で歪曲するな」として、このようなタイトルの文を載せたことが7日確認された。

 パク教授は30年近く大学で放射性医薬品学を研究し講義をしてきた専門家だ。彼は「刺激的にならざるを得ないタイトルでこの文を書く理由は、国民感情にも国家の経済にも役立たない、だからといって福島原発の汚染水の放流を防ぐ実質的手段も見えないこの消耗的な論争が、放射線に関する科学とはかけ離れた主観的見解によって増幅され、国民の恐怖ばかりを増大させているため」と明らかにした。

 パク教授は「汚染水を処理した後、トリチウムを放流濃度である1リットル当たり1500ベクレル未満に薄めたら、その水1リットルを飲んでも私が受ける実効線量は0.000027ミリシーベルト(mSv)」だとし「これはバナナ1個を食べる時、バナナに含まれるカリウム-40などによって受ける実効線量0.0001mSvの約4分の1」だと話した。

生物学研究情報センター(BRIC)のホームページより//ハンギョレ新聞社

 さらに、「(汚染水全体に含まれる)780テラベクレル(TBq)のトリチウムがすべて投入され、北太平洋の水に希釈され、韓国近海に入ってくる時のトリチウムによる追加放射能は0.0000026Bq/リットルで、現在海水の放射線量値である約12Bq/リットルに比べて極めて微々たる増加があるだけだ」とし、「希釈が不安定で1000倍程度高い濃度の海流が来たとしても0.0026Bq/リットルに過ぎない。この程度の線量では魚や人に害はない」と主張した。

 ただ、パク教授は日本政府と東京電力が諸般の試験の成績資料を透明に公開しなければならず、周辺国が要求した場合には、試料の直接採取を許容し、ダブルチェックを可能にしなければならないと要求した。また「太平洋は日本だけの海ではないため、周辺国が要求すれば試料の直接採取を許可し、これを試験することでダブルチェックできるようにしてこそ不要な誤解を払拭できる」とし「韓国政府はこうした試験の成績資料の公開と試料の直接採取を強く要求し、貫徹し、韓国国民の不安を解消しなければならない」と述べた。

 それと共に「今は韓国国民の食卓と水産業界、飲食業界のために収拾しなければならない時」と話した。パク教授は「筆者がしても良いし、筆者でない誰でも放流濃度の希釈水には別に問題がないという事実を本当に知る人が出てきて、放流濃度の希釈水を直接飲むことで韓国国民の食卓を安心させることが必要」と話した。

 彼は「周辺にゴミが散らばっているからといって、タバコの吸殻をもう一つ捨てることが推奨されることではないように、現在の海水の放射線量が12Bq/リットルだからといって、0.0000026Bq/リットルのトリチウムを海に追加することは拍手することではない」としつつも、「いざ阻止できる実質的方法もなく、反対のための誇張された恐怖を誘発し、国民の食卓を心配させるのは責任ある人の姿勢とはいえない」と主張した。

キ・ミンド記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1095019.html韓国語原文入力:2023-06-08 09:46
訳J.S

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