韓国政府の福島第一原発汚染水視察団が26日に帰国した中、在韓日本大使館は韓国の福島産水産物輸入制限について「韓国にも様々な機会に早期の規制撤廃を求めている」と明らかにした。
在韓日本大使館は「韓国による福島産水産物の輸入規制について、最近韓国政府に意見を伝えたり具体的な要求を行ったりしたことはあるか」というハンギョレの質問に対し、26日夜「(福島第一原発事故が起きた2011年の)東日本大震災後の日本産食品などに対する輸入規制の撤廃は(日本)政府の重要課題だ」としつつ、上のように書面で答えた。
視察団が訪日した23日には、野村哲郎農林水産相が記者会見で「今回はALPS処理水(汚染水)についてのいろいろな調査が中心になるということは聞いているが、それに加えて今、輸入制限を加えているような品目についての解除を(引き続き)お願いしていこうと思う」と述べている。韓国政府は2011年3月の福島第一原発爆発事故後、福島県とその周辺の計8県のすべての水産物と15県の農産物の輸入を禁止している。
韓国外交部の当局者は25日、「(原発)汚染水処理問題と水産物輸入規制は別の事案と考えている」と述べた。
しかし、政府視察団が汚染水の試料採取もできず「肉眼」視察で終わったことで、日本政府による汚染水海洋放出の「付き添い人」の役割となり、今後予想される水産物輸入制限解除の要求にも拒否の名目を掲げられないのではないかと憂慮する声が相次いでいる。
このような中、国際原子力機関(IAEA)のタスクフォースは、29日から6月2日まで福島第一原発の多核種除去設備(ALPS)を通した汚染水の海洋放出に関する包括的検証を実施し、6月中に最終報告書を公開するという。