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韓国政府与党、「賃貸詐欺」被害者支援特別法を推進…野党「ひとまず歓迎」

登録:2023-04-24 04:12 修正:2023-04-24 09:33
国民の力のパク・テチュル政策委議長が23日午後、国会疎通館で政府与党による伝貰詐欺対策協議の結果をブリーフィングしている。左からキム・ジュヒョン金融委員長、パク議長、ウォン・ヒリョン国土交通部長官、ハン・ドンフン法務部長官/聯合ニュース

 韓国の与党「国民の力」と政府は、伝貰(チョンセ・契約時に高額の保証金を貸主に預けることで月々の家賃は発生しない不動産賃貸方式)詐欺の被害者を支援するために「伝貰詐欺被害者支援および住居安定のための特別法」を制定することを決めた。特別法には、被害者に住宅の優先購入請求権(優先購入権)を与えるほか、被害者が賃借で住み続けたい場合には韓国土地住宅公社(LH)などの公共機関が優先購入権を代わりに行使してその住宅を買い取り、公共賃貸住宅として提供するなどの内容が盛り込まれる計画だ。

 大統領室、政府、与党は23日、ソウル三清洞(サムチョンドン)の首相公館で高位政府与党協議会を行い、このような内容の伝貰詐欺被害対策を議論した。国民の力政策委のパク・テチュル議長はこの日の会議後、国会でこのような内容の特別法制定の推進を発表した。特別法は今週中に国会に上程される予定で、一時的に適用される。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領も迅速に法案をまとめるよう指示した。24日に米国国賓訪問を控えた尹大統領は、この日首席秘書官会議を主宰し「伝貰詐欺被害者の住居安定に万全を期すとともに、実効性のある法案を迅速にまとめるよう要請した」と、大統領室のイ・ドウン報道官が書面ブリーフィングで明らかにした。

 政府与党は、野党が主張してきた被害住宅の公共による買い取り方式については、再び一線を引いた。公平性に問題が生じるとの批判と財政負担が予想されるという理由からだ。ウォン・ヒリョン国土交通部長官はこの日、記者団に対し、「政府与党案は(野党案のように)保証金債権に(公共が)手をつけるものではないため、追加予算がかかることは全くない」と述べた。公共が買い取りを通じて被害者の保証金を代わりに返還するのが公共買い取り方式だとすると、政府与党が提示した買い取り賃貸は、保証金を返還はしないが、その住宅を買い取って賃貸に転換することで、被害者の居住権は保障するというものだ。ウォン長官は「(LH、ソウル住宅土地公社(SH)などの)買い取り賃貸の総予算は7兆5千億ウォン(約7550億円)と策定されており、義務買い取りの量も3万6千戸と計画されているため、この程度の量であれば(被害支援に)十分だ」と語った。

 野党「共に民主党」は、ひとまず歓迎するとの立場だ。民主党政策委員会の関係者は「政府与党が特別法制定を表明したことを歓迎し、国会で本格的な議論が始まると期待している」と述べた。ただしこの関係者は「優先購入権以外にも、住んでいた家からの移転を希望する被害者が伝貰保証金を返還してもらえる債権買い取り方式も必要なため、党ではこれらの方策を全て推進する計画」だと語った。

ソン・ダムン、イ・ウヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1089063.html韓国語原文入力:2023-04-23 19:13
訳D.K

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