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韓国政府、賃貸住宅詐欺の被害者に対し融資規制を緩和

登録:2023-04-21 02:13 修正:2023-04-21 08:41
ウォン・ヒリョン国土交通部長官、国民の力のパク・テチュル政策委議長らが20日、国会で伝貰詐欺について政府与党協議を行っている/聯合ニュース

 政府と与党は20日、伝貰(チョンセ)詐欺の被害にあった賃借人に、一定の要件を満たしていれば住宅優先購入権を与えるほか、住宅落札時には低利で融資すると発表した。(伝貰とは契約時に高額の保証金を貸主に預けることで月々の家賃は発生しない不動産賃貸方式のこと)

 与党「国民の力」のパク・テチュル政策委議長はこの日午前、ウォン・ヒリョン国土交通部長官をはじめとする関係省庁と共に、伝貰詐欺の根絶および被害者支援に関する政府与党協議を行い、その後、「被害住宅の競売時に、一定の基準を満たした賃借人に優先購入権を与えられるよう、制度的補完策を積極的に検討する」と述べた。また「被害にあった賃借人が自分の住む住宅を落札した際の購入資金の確保に向け、十分な返済猶予期間を設けた低利融資策も推進することにした」と付け加えた。前日に国土部が示した対策を再確認するとともに、政府与党が協力して推進するということだ。

 しかし、伝貰詐欺の舞台となった住宅は政府が購入することにしようという野党の公共購入主張には再び線を引いた。パク議長は「優先順位の高い債権者の利益になるため、根本的な被害者救済策にはなりえない。私人の間で発生した負債、悪質な賃貸人の負債を公的財源で弁済するのは望ましくないし、国民の負担へと転嫁されるだけ」だと述べた。

 その他にも政府与党は、100人の法律専門家と心理専門家による「訪問サービス」の提供▽組織的な伝貰詐欺に対する犯罪団体組織罪の適用および犯罪収益の全額没収▽伝貰被害支援センターの拡充などを推進することにした。加えて国民の力は、仁川市弥鄒忽区(インチョンシ・ミチュホルグ)の伝貰詐欺事件を起こした「建築王」N氏の背後に「仁川の有力政治家」がいるとの疑惑を重ねて提起しつつ、特別捜査を警察に要請したと明らかにした。

 金融当局は、伝貰詐欺の被害者に対する家計向け融資規制の緩和を検討している。融資限度のせいで競売落札代金の調達に困難を来たすことのないよう、総負債元利金返済比率(DSR)の適用に一時的に例外を設けるということだ。銀行から伝貰資金の融資を受けた際の債務調整も進められる。ウリ銀行は、伝貰詐欺被害者に対して5300億ウォン(約537億円)規模の低金利融資商品を提供することを決めた。

シン・ミンジョン、イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1088801.html韓国語原文入力:2023-04-20 21:12
訳D.K

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