本文に移動

日本の教科書歴史歪曲、波紋広がる中で水曜デモ…「対日外交惨事」

登録:2023-03-30 04:23 修正:2023-04-10 06:13
29日昼、ソウル鍾路区の平和の少女像のそばで行われた第1589回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモで、参加者たちが尹錫悦政権の屈辱的な外交を批判するプラカードを掲げている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 日本政府の小学校の社会科教科書歴史歪曲が波紋を広げる中、ソウルの水曜デモでは「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は手のひらを返された」という批判の声があがった。韓国政府が日本の「善意」を信じて急いで韓日関係改善に乗り出したことが、ブーメランとなって返ってきたということだ。

 正義記憶連帯(正義連)と基地村女性人権連帯は29日午後12時、ソウル鍾路区(チョンノグ)の旧日本大使館のそばで「第1589回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ」を行った。参加したある市民の掲げるプラカードには、16日に行われた韓日首脳会談の前後の政府当局者の発言が記されていた。韓日首脳会談を「3・16外交惨事」と規定した参加者たちは「尹錫悦大統領は日本に無条件に服従するという低姿勢をあらわにしている」とし、「強制動員解決策と『2015韓日慰安婦合意』を廃棄せよ」と叫んだ。

 特にこの日の水曜デモでは、日本の小学校の社会科教科書の検定結果とからめて政府を批判する声が強かった。日本の文部科学省は前日、日帝強占期の強制動員の強制性を薄め、独島(トクト)領有権主張を強化することを骨子とする小学校社会科教科書の検定結果を発表した。正義連のハン・ギョンヒ事務総長は「今回の教科書問題は、岸田内閣の一貫した立場が表面化したものに過ぎない。尹錫悦政権はこれを知っていながらこのような仕打ちを受けたのか、自国民をだましたのか分からない」とし「韓日首脳会談ですべてを差し出し、日本の極右の嫌韓と歴史歪曲をあおった亡国外交尹錫悦政権を糾弾する」と述べた。平和ナビネットワーク崇実大学支部のキム・スミン支部長は「強制徴用解決策が発表され、韓日首脳会談の悪影響の中で暮らしている今、日本の教科書からまたしても歴史が消し去られている」とし、「だが韓国政府はきちんと対処せず、依然として強制徴用解決策も撤回していない」と語った。

 外交部は28日の報道官名義の声明で「日本政府は歴史を直視する中で、未来世代の教育においてより責任ある行動を示さなければならない」として遺憾の意を表明したが、韓日首脳会談に対する批判世論が激しい中で飛び出した日本政府の歴史歪曲であるため、批判は容易に収まらないとみられる。市民団体「キョレハナ」はこの日発表した声明で「尹錫悦政権の屈辱外交が、日増しに増長する日本の歴史歪曲を容認し、あおっている。尹錫悦政権は強制動員セルフ解決策で司法主権を放棄したかと思えば、日本に独島領有権まで明け渡すつもりか」と批判した。韓日歴史正義平和行動のパク・ソグン共同代表は、「(韓日首脳会談後)各界が表明した憂慮が杞憂(きゆう)ではなかったということが、今回の教科書問題で証明された。政治家初心者である大統領が日本に白旗投降し、正面から手痛い仕打ちを受けた格好だ」とし「これから福島第一原発の汚染水、農水産物問題など、日本の挑発が露骨になることが憂慮される」と語った。

29日昼、ソウル鍾路区の平和の少女像のそばで行われた第1589回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモで、参加者たちがスローガンを叫んでいる=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社
29日昼、ソウル鍾路区の平和の少女像のそばで行われた第1589回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモで、参加者たちがスローガンを叫んでいる=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社
コ・ビョンチャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1085666.html韓国語原文入力:2023-03-29 15:26
訳D.K

関連記事