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尹大統領「求償権の行使はない…心配には及ばない」

登録:2023-03-16 06:26 修正:2023-03-27 07:22
明日の韓日首脳会談を控えて 
読売新聞とのインタビューで 
2018年の最高裁判決には「矛盾がある」
尹錫悦大統領は韓日首脳会談を控え読売新聞の単独インタビューを受けた。尹大統領のインタビューが掲載された読売新聞の1面=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は14日、日本の被告企業に強制動員被害者に対する賠償を命じた2018年の韓国最高裁(大法院)の判決と1965年韓日請求権協定の間に「矛盾がある」として、「調和するように解決するのが政治指導者の責務だ」と述べた。韓日請求権協定で賠償請求権が消滅したわけではないという趣旨の最高裁判決を否定する、「日本に合わせた」ともとれる発言だ。

 尹大統領は15日付で報道された読売新聞とのインタビューで、「強制徴用問題については、1965年の(韓日基本条約と韓日請求権・経済協力)協定を結ぶために50年代から韓日間で進められてきた過程がある。65年協定の規範的解釈と両国政府が協定をどう解釈してきたのか、そして2018年大法院(最高裁)の判決もある」とし、「これらのことを総合的に考慮し、矛盾したり食い違ったりする部分があっても、調和をなすようにするのが政府の役割であり、政治指導者がしなければならない責務だと思う」と語った。

 尹大統領は行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団を通じた「第三者弁済」という政府解決策について「政治をする前、(検察官という)法律家として活動していた時にも、このような解決策が合理的ではないかと考えていた。弁償がされれば、おそらく、これ以上の議論は収まるのではないか」という考えを示した。

 尹大統領は政府の強制動員解決策が今後の政権交代などで覆されかねないという日本国内の懸念に対しても、「後に求償権の行使にならないようにする方法について検討する」とし、「その部分は心配に及ばないと判断している」と述べた。大統領室関係者は「尹錫悦政権ではそのようなこと(求償権の請求)は起きないという意味」だと説明した。

 尹大統領は、日本が昨年12月、北朝鮮や中国など周辺国のミサイル基地を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」(反撃能力)の保有方針をに決定したことについても、「IRBM(中距離弾道ミサイル)が、日本列島(上空)を通過するような安保状況であるため、日本の措置を十分理解している」と答えた。「専守防衛」の原則を形骸化させる日本側の主張に同調したのだ。

 尹大統領の同日のインタビューは、16日の韓日首脳会談を控えて行われた。尹大統領は、「訪日することになったこと自体、これまでの韓日関係に照らして、一つの大きな進展であり、成果」だとしたうえで、「両国関係を正常化することは、両国共通の利益に合致するだけでなく、国際社会全体の非常に肯定的なシグナルになると期待している」と強調した。さらに、「強制徴用問題で悪化した韓日関係を、必ず正常化し発展させることは、大統領選挙で国民に約束した公約でもあった」と付け加えた。

 尹大統領は同日行われたロイター通信や共同通信などと行った書面インタビューでも、日本に対する具体的な要求はなく、「緊張した韓日関係を放置したまま時間を無駄にすることはできない」と述べた。

 世宗大学の保坂裕二教授は「被害者たちが勝訴した裁判の司法的権利を事実上剥奪するということ」だとしたうえで、「韓国の司法的な正義と行政的な秩序・正当性をいずれも破壊する行為」だと指摘した。

ペ・ジヒョン、シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1083792.html韓国語原文入力: 2023-03-16 02:46
訳H.J

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