ロシア・ウクライナ戦争開戦からの1年間で、韓国はロシア産の化石燃料を56億ユーロ(約8000億円)分輸入したとする調査結果が発表された。一部からは、ロシア産化石燃料を輸入する国々は戦争中のロシアに事実上資金を支援していると指摘する声もあがっている。
フィンランドの気候・エネルギー研究機関「エネルギー・クリーンエアー研究センター(CREA)」の「1年後、誰がロシアのウクライナ戦争資金を支援しているのか」と題する報告書を27日に確認したところ、韓国はロシア・ウクライナ戦争勃発からの1年間でロシア産化石燃料の輸入額が56億5586万ユーロにのぼり、世界で14番目に多く輸入していた。特に韓国のロシア産石炭の輸入額は世界3位、天然ガスは7位だった。ロシア産化石燃料を輸入した韓国企業は、韓国電力公社、韓国東西発電、ポスコ、現代製鉄など。同報告書は、ロシアがウクライナ戦争を始めた昨年2月24日から今月19日までの1年間に、原油、ガス、石炭などの化石燃料の輸出で同国が得た収入を推定している。
報告書では、ロシアの2023年1月~2月の化石燃料輸出の収益は昨年3月(2022年の最高値)に比べ50%減少し、欧州連合(EU)への輸出の収益はほぼ90%減少したと分析されている。ただ、ロシアは依然として化石燃料の輸出で1日約5億6000万ユーロ(約800億ウォン)を稼いでいた。内訳は、1日当たり原油で約2億8000万ユーロ、石油製品で1億2000万ユーロ、パイプラインガスで6000万ユーロ、石炭で6000万ユーロ、液化天然ガス(LNG)で4000万ユーロ。
またロシアは開戦からの1年間に、化石燃料の輸出で2983億ユーロ(約43兆円)を稼いでいた。ロシア産のエネルギーを最も多く輸入した国は中国(596億ユーロ)で、続いてドイツ(247億ユーロ)、トルコ(241億ユーロ)、インド(226億ユーロ)の順だった。報告書は「2023年2月にEUのロシア産石油製品禁止措置が発効してからも、EUはインドを抜いて中国に次ぐロシアにとって2番目の顧客」だとし「EUは依然として毎日1億ユーロをロシアに送っている」と指摘した。
CREAのラウリ・ミュリビルタ上級アナリストは「EUは昨年、ロシアからの化石燃料輸入への依存度を、ほぼすべての人が思っていたよりも早く減らし、石油とガスの供給を武器化しようとしているプーチンの試みは大々的に失敗した」としつつも「EU、日本、韓国はできるだけ早くロシアからの残りの化石燃料の輸入を中止すると同時に、クリーンエネルギーへと転換し、輸入化石燃料に対する全般的な依存度を下げるべきだ」と語った。