本文に移動

米国防長官「原子力空母など戦略資産、朝鮮半島でさらに展開する方針」表明

登録:2023-02-01 06:42 修正:2023-02-01 10:12
韓米国防相会談 
北朝鮮の核能力の高度化などに対抗し、米国の拡大抑止へのコミットメントなどを再確認
イ・ジョンソプ国防部長官とロイド・オースティン米国防長官が1月31日午後、ソウル国防部庁舎で両国国防相会談に先立ち、握手を交わしている=国防部提供//ハンギョレ新聞社

 韓国と米国は31日、北朝鮮の核・ミサイル能力の高度化に対抗し、朝鮮半島における米国戦略兵器の適時かつ調整された展開が実現するよう緊密に協議していくことで合意した。特に米国は、F22など先端戦闘機と空母戦闘群などをより多く朝鮮半島で展開する方針を明らかにした。

 イ・ジョンソプ国防部長官とロイド・オースティン米国防部長官は同日、ソウル国防部庁舎で韓米国防相会談後に行った共同記者会見で、拡大抑止の実行力の強化を強調した。「拡大された抑止」とは、同盟が核攻撃を受けたり脅威に直面した時、米国が本土に対する攻撃とみなし、抑止力を提供することをいう。

 オースティン長官は米国が韓国に約束した「徹底した防衛コミットメント」を繰り返し確認した。同長官は記者会見で、「米国の拡大抑止へのコミットメントは確固たるものだ」としたうえで、「米国の拡大抑止は核、通常兵器、ミサイル防衛能力など、あらゆるカテゴリーの米国の軍事能力が含まれる」と述べた。イ・ジョンソプ長官も「両国は2022年末、米国の戦略爆撃機の展開の下で施行された合同空中演習が同盟の様々な抑止能力を現示するものであることに共感し、今後も適時かつ調整された戦略資産の展開が実現するよう、緊密に協議していくことを約束した」と述べた。

 オースティン長官は「適時かつ調整された形での戦略資産の展開とは何か」という記者団の質問に対し、ステルス機能を持つ第5世代戦闘機F22とF35、原子力推進空母「ロナルド・レーガン」を朝鮮半島で昨年展開したことに言及し、「今後、こうしたことをより多く行い、両国政府間の協議を深める」と述べた。これまで韓国は米国に「朝鮮半島で危機が高まった場合、戦略兵器をより多くまた頻繁に送ってほしい」と求めてきたが、米国の安全保障政策の責任者がこのような発言を公の場で行ったのは異例のことだ。オースティン長官のこの発言は、北朝鮮に対する警告メッセージであり、国内の一部で提起されている米国の拡大抑止の約束に対する疑問を意識したものとみられる。

 イ長官は拡大抑止の実行力の強化に向けた措置を、情報共有▽共同企画・実行▽同盟協議体系の実行力分野に分けて進めると説明した。従来の両国協議機能と内容を強化するという意味だ。

 両国は、情報共有では北朝鮮の核の脅威と関連した情報共有の範囲を拡大し、共同企画分野では今秋の韓米定例安保協議会議(SCM)前に韓米のテーラード抑止戦略(TDS, Tailored Deterrence Strategy)を改正することにした。テーラード抑止戦略とは、北朝鮮指導部の特性と北朝鮮の核・大量破壊兵器の脅威などを考慮し、朝鮮半島の状況に合わせて最適化した韓米共同の対北朝鮮抑止戦略をいう。共同実行分野では、2月中に拡大抑止手段運用演習(DSC TTX)を実施することにした。また、韓米合同演習および訓練の規模と水準をさらに拡大し強化することにした。

 両長官はまた、安全保障をめぐる韓日米3カ国の協力強化案について協議し、昨年11月に3カ国首脳が合意した北朝鮮ミサイル警報のリアルタイム共有を促進するため、近いうちに韓米日安全保障会議(DTT)を開催することで合意した。

 オースティン長官は「朝鮮半島の非核化は維持しなければならない」と述べ、「韓国の核武装主張」には距離を置いた。

 イ長官はウクライナへの武器支援について、「昨日(30日)、イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長との会談で、韓国の兵器支援に関しては具体的に答えなかった」としながらも、「ウクライナの状況について注視している」と述べ、状況の変化によっては政策の変化もあり得ることを示唆した。

 同日、ソウル龍山(ヨンサン)大統領室でオースティン長官と面会した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領も、韓米合同演習の「実戦的施行」を強調した。尹大統領は「韓米が今年上半期に『自由の盾』(フリーダムシールド)合同演習を初めて11日間中断なく施行することを決め、合同野外機動訓練の規模を拡大して施行する案を高く評価した」とキム・ウネ広報首席秘書官が伝えた。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1077726.html韓国語原文入力:2023-02-01 02:42
訳H.J

関連記事