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尹大統領、日本の安保政策を擁護「防衛費増額、誰もとやかく言えない」

登録:2023-01-12 06:25 修正:2023-01-12 07:27
「敵基地攻撃」戦略を容認する態度が物議醸す
尹錫悦大統領が11日午前、大統領府迎賓館で行われた2023年度外交部・国防部業務報告で国旗に礼をしている=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が11日、日本政府の防衛費増額について「頭上にミサイルが飛び交い、核が飛んでくる可能性があるのに、それを阻止するのは容易ではない」と述べた。防衛費の増額と攻撃能力の強化を盛り込んだ日本政府の新たな国家安全保障戦略(NSS)を事実上擁護するような発言であり、波紋を呼ぶものとみられる。

 尹大統領は同日、青瓦台迎賓館で開かれた外交部・国防部の業務報告の最終発言で、「日本も頭上を(北朝鮮の)IRBM(中距離弾道ミサイル)が飛んでいるからこそ、防衛費を増額し、いわゆる反撃概念を国防計画に盛り込むことにしたのではないか。それについて誰がとやかく言えるだろうか」とし、このように語った。

 日本政府は先月、北朝鮮、中国など周辺国のミサイル基地を直接打撃する敵基地攻撃能力の保有と、5年後の防衛費国内総生産(GDP)の2%以上増額などを盛り込んだ新たな国家安全保障戦略を発表した。

 尹大統領は北朝鮮の核・ミサイル武力示威に対し、韓国軍に繰り返し断固たる対応を指示した。また「3軸システムで最も重要なのはKMPR(大量反撃報復)だ。この力を備えて練習を怠らなければ、(北朝鮮が)攻撃をすることは難しい」とし、「大量反撃報復を確固たるものにし、挑発心理そのものを抑えつける必要がある」と述べた。さらに「我々が攻撃を受ければ100倍、1000倍にやり返す大量反撃報復能力を確固たるものに構築することが、攻撃を防ぐ最も重要な方法だ」とし、「挑発に対する自衛権行使は確実にしなければならない。数倍、数十倍のレベルで対応してこそ、効果的な自衛権行使になる」と語った。

 尹大統領は最近の北朝鮮の無人機問題を念頭に置いたかのように、「北朝鮮がウクライナ戦争のような長期全面戦争を繰り広げることは容易ではない」とし、「韓国社会を撹乱し政治的に揺さぶる、不意打ちのソフトテロを多く試みるだろう」と述べた。

 尹大統領は北朝鮮の核対応方式に関しては、米国との核共同企画・実行方針が「安全保障の利益において共同の利害関係が正確に一致する」と強調した。この過程で「もちろんさらに問題が深刻になり、大韓民国が戦術核を配備したり、独自の核を保有することも考えられる。 もしそうなれば、韓国の科学技術のおかげでより早いうちに韓国も(核兵器を)保有できるだろう」とし、「しかし現実的に可能な手段を選ぶことが重要だ。今は韓米間で情報を共有し、共に参加し、共同企画、共同実行する、このような議論が展開されている」と述べた。

 尹大統領はまた、「終戦宣言のような相手の善意に頼る平和から完全に抜け出し、万全の準備態勢を整えなければならない」として、文在寅(ムン・ジェイン)政権の対北朝鮮政策基調を批判した後、「実効的な戦争準備演習が体系的に、効果的に行われるよう発想の転換をしてほしい」と述べた。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1075360.html韓国語原文入力:2023-01-12 02:10
訳H.J

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