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韓国与党が煽った梨泰院惨事遺族に対する2次加害に極右団体が加勢…遺族は告訴へ

登録:2022-12-23 06:43 修正:2022-12-23 07:37
15日昼、ソウル龍山区の緑莎坪駅広場に10・29梨泰院惨事遺族協議会と10・29梨泰院惨事市民対策会議が設けた市民焼香所を訪れた市民たちが犠牲者を追悼している=シン・ソヨン記者 //ハンギョレ新聞社

 梨泰院(イテウォン)惨事の遺族たちに向けた保守団体の度を越した2次加害が告訴戦に飛び火した。与党「国民の力」の政治家たちが遺族たちに浴びせた暴言についてまともに謝罪していない中で、一部の保守層の支持世論が彼らを後押しした結果だ。

 22日の本紙の取材の結果、梨泰院惨事遺族協議会の法律代理人である民主社会のための弁護士会(民弁)は、現在保守・極右団体の「新自由連帯」に対し、侮辱罪の適用などを検討しており、早ければ来週中にも告訴状を提出する方針だ。民弁は龍山区の緑莎坪(ノクサピョン)駅近くに設けられた市民焼香所のすぐそばで行われている新自由連帯の集会についても、「申告の趣旨と異なる内容であるうえ、誹謗中傷や暴言など違法行為が行われている」とし、仮処分申立ても考慮している。

 遺族たちが法的対応に乗り出した理由は、保守団体の2次加害が日増しに激しくなっているためだ。20日、新自由連帯は焼香所のすぐそばに「孤独死、交通事故、建設業事故も全て国が責任を取って大統領が謝罪しなければならないのか」と書かれた横断幕をかけた。その前には「梨泰院惨事追悼祭、政治扇動者たちは消えろ」という横断幕を掲げたりもした。屋外広告物を管理する龍山区庁では「書かれた内容を一つひとつ確認して規制することはできない」とし、手を引いた状況だ。保守系ユーチューバーたちは焼香所付近を撮影したり遺族に嘲弄混じりの言葉を浴びせ、これを「コンテンツ」にしている。このような暴言に衝撃を受け、気を失う遺族もいた。

 このような状況なのに、新自由連帯は21日、遺族側の法的対応予告にむしろ「新自由連帯が焼香所の設置を妨害したという虚偽事実を流布した」として、遺族協議会のイ・ジョンチョル代表を名誉毀損で告訴した。

 このような動きは結局、国民の力の政治家の暴言がフィルターも通さずそのまま登場し、極右・保守支持層を煽った結果とみられる。同党のキム・サンフン議員は梨泰院市民対策会議の発足に対して「惨事営業」と嘲弄し、キム・ミナ昌原市議員は「遺体商売」だと暴言を吐いた。にもかかわらず、党レベルの公式謝罪はもちろん、政府もこれといったメッセージを出していない。度を越した暴言にもかかわらず、議員たちを「支持する」といった保守層世論の後押しを受けた結果だ。

 遺族たちも政界の暴言に対する苦痛を訴えてきた。遺族協議会は20日、国民の力の議員たちとの面会で、「議員たちが一言言えば、他の(保守)支持者たちからその10倍の暴言が私たちに向けられる」として2次加害発言をやめてほしいと訴えた。チュ・ホヨン代表は22日午前になってようやく「犠牲者やその両親は慰められ守られるべき方々であって、(この方々に)非があるわけではない。だから、犠牲者や遺族を相手に暴言を吐いたり、非難することは正しくない」として「自制」を呼びかけた。所属議員の暴言に対する謝罪はなかった。

 焼香所の運営を担当する梨泰院惨事市民対策会議の関係者は、本紙の取材に対し「政界で暴言が続くことに対して謝罪を求める声明を発表する予定」だとし、「民弁とは別に保守団体に対して名誉毀損などの法的措置を検討している」と語った。

クァク・チンサン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1072778.html韓国語原文入力:2022-12-22 23:10
訳H.J

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