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与党と対面の梨泰院遺族「私たちがみな死んではじめて動くつもりか」

登録:2022-12-21 02:48 修正:2022-12-21 08:38
国政調査への復帰求める…党関係者による2次加害防止策も要請
国民の力のチュ・ホヨン院内代表が20日午後、国会議員会館で行われた梨泰院惨事遺族協議会との懇談会で、遺族協議会のイ・ジョンチョル代表を慰めている/聯合ニュース

 「なぜ誰も(緑莎坪駅の合同焼香所に)いらっしゃらなかったのですか。国民の力の議員のみなさんは痛いところを突かれるのを恐れて来られなかったのか。私には理解できません」

 20日、梨泰院(イテウォン)惨事で犠牲になった故イ・ジハンさんの父親で遺族協議会代表のイ・ジョンチョルさんは、国会で与党「国民の力」のチュ・ホヨン院内代表と与党所属の梨泰院惨事国政調査特別委員会(国調特委)の議員に会い、もどかしそうに尋ねた。この日の懇談会は、19人の遺族が梨泰院惨事発生から53日にして与党の国調特委の委員と初めて顔を合わせる場だった。

 チュ院内代表は「私がもっと早くみなさんにお会いして申し上げるべきだったのに、遅くなって申し訳ない」とし「国調特委が稼動を開始するにあたり、捜査であれ国政調査であれ、後に必要なら特検であれ、それらを通じて真相を徹底的に明らかにし、責任を問う人間には徹底的に問う」と述べた。

 遺族は懇談会で、国民の力の特別調査委員たちの速やかな国政調査への復帰を要請した。イ・ジョンチョルさんは「国政調査は村の里長会議なのか。やると言ったりやらないと言ったり、何をしているのか。犠牲者は交渉の道具なのか」と述べた。遺族はまた、このところ与党関係者と極右・保守系団体が犠牲者と遺族を侮辱しているとし、このような2次加害を防いでほしいと要求した。イさんは、遺族を中傷する文章をフェイスブックに書いて問題となった国民の力所属のキム・ミナ昌原(チャンウォン)市議会議員らに言及しつつ「ひどすぎるのではないか。私たちがみな死んではじめて動くつもりか」と激高して問い詰めた。

 特に遺族たちは、最近、緑莎坪)(ノクサピョン)駅の合同焼香所のそばで拡声器などを使って遺族に対する暴言を吐いている極右団体「新自由連帯」を撤収させるよう強く要請した。イさんは、前日に同団体の会員たちが合同焼香所の前で「タレントのジハンのXX母親が死体を売って金を稼ごうとしている」と発言したため、イ・ジハンさんの母親が失神したことを涙ぐみながら説明した。遺族のすすり泣きとため息も大きくなった。目頭が赤くなったチュ院内代表は席から立ち上がり、すすり泣くイさんを慰めた。

 イさんは続けて「10月29日には梨泰院にも警察はいなかった。(今も)緑莎坪駅には警察はいない」、「(新自由連帯の行為を見ても)警察は立っているだけで、止めもしない。お願いする。新自由連帯を撤収させてほしい」と訴えた。

 さらに遺族たちは、緑莎坪駅の合同焼香所付近に速やかに追悼空間を設置することも要請した。「カヨンの母親」のチェ・ソンミさんは「せめてコンテナひとつでもいいから作っていただければ。心からお願いしたい」と述べた。

 この日の懇談会は35分の公開発言を含め、約2時間20分間にわたって行われた。遺族の法律代理人を務める「民主社会のための弁護士会(民弁)」10・29惨事対応TF所属のユン・ボンナム弁護士は、非公開懇談会の終了後、「(議員たちの惨事についての暴言に対して、国民の力は)懲戒手続きを早急に進め、国民の力としては2次加害に全く同調しないということを明確にすると答えた」と語った。

ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1072465.html韓国語原文入力:2022-12-20 19:46
訳D.K

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