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ロボット犬の背後に「尹大統領夫人の影」…官邸工事に続き「人脈契約」疑惑

登録:2022-11-24 02:01 修正:2022-11-24 08:46
ロボット犬企業の実際の所有者もキム女史が就任式に招待 
警護処「寄付金と就任式招待は全く知らなかった」
6月、一般国民に開放されたソウルの龍山公園で、米国ゴースト・ロボティクス社のロボット犬が大統領執務室の警護用として試験運用されている/聯合ニュース

 大統領選挙で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に1000万ウォン(約104万円)の高額寄付をした人物が実際の所有者となっている企業が、大統領警護処の警護用ロボット犬事業を随意契約で受注していたことが明らかになり、大統領室の「人脈契約」疑惑がふくらんでいる。

 人脈契約疑惑は、ソウル漢南洞(ハンナムドン)の官邸のリフォーム工事でも持ち上がっている。大統領室は5月25日、12億2400万ウォン(約1億2700万円)規模の官邸リフォーム工事について、キム・ゴンヒ女史が経営していたコバナコンテンツ主催の展示会の後援企業として名を連ね、インテリア工事などを請け負った業者と随意契約した。このため、官邸リフォーム契約にキム女史が影響力を行使したのではないかという疑惑が持ち上がった。

 ロボット犬の導入と官邸リフォームは、尹大統領の就任後、ソウル龍山(ヨンサン)に執務室と官邸を移したことで新たに登場した事業だという共通点がある。また、ロボット犬契約企業の実際の所有者であるS氏(60)と官邸リフォーム会社の代表であるK氏(50)が、両者ともキム女史名義で大統領就任式に招待されていたという点も似ている。

 5月の尹大統領の就任式に招待された人物の中には、キム女史と事業上の関係がある人物が多く含まれる。尹大統領の義母であるチェ・ウンスン氏と共に通帳残高証明書を偽造した疑いで起訴され、一審で有罪を言い渡されたK氏(45)も、キム女史名義で就任式に招待されている。K氏はコバナコンテンツの監査を務めてもいる。この他にも、キム女史が関わったとされる株価操作の疑われる企業、ドイツモーターズのクォン・オス前会長の妻と副社長も、キム女史名義で招待されている。

 本紙がS氏の会社の大統領室警護ロボット犬事業受注疑惑を報道したことを受け、大統領室は23日午前に「ロボット犬事業は文在寅(ムン・ジェイン)政権の大統領府時代から警護処が検討してきた事業であり、公正で透明な契約過程を経て決定された」との立場を表明した。そして「大統領警護処はその過程で、国内の代理販売業者の取締役がどの政党にいくら寄付し、就任式に招待されたかどうかなど全く知らなかったし、契約過程にいかなる影響もなかったことをはっきりと明らかにする」と釈明した。

 これに先立ち、本紙はS氏が実際の所有者であるC社が9月27日に大統領警護処と大統領執務室の警護用ロボット犬の3カ月間のリース契約を結んだことを報道した。同社は、尹大統領就任式のあった5月に米国のロボットメーカー「ゴースト・ロボティクス」の韓国支社と独占代理販売契約を結んでいる。4カ月後の9月には、大統領警護処と月600万ウォン(約62万3000円)で3カ月間、計1800万ウォンのリース契約を結んでいる。

 大統領警護処は来年予算で、ロボット犬の購入予算として8億ウォン(約8310万円)を策定している。ただし大統領室はこれについて「3カ月間(C社と)リース契約を締結したからといって購入契約へとつながるわけではなく、導入するかどうかは来年に決める予定だ。購入契約時には競争入札となるので、いかなる特別な恩恵もない」と述べた。

チョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1068534.html韓国語原文入力:2022-11-23 15:33
訳D.K

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