尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は23日、「グローバル複合危機という状況では、輸出増進によって危機を正面突破しなければならない」とし、「全省庁の産業部化」と「民間に対する積極的支援」を重ねて強調した。
尹大統領はこの日、ソウル瑞草区(ソチョグ)の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)で第1回目の輸出戦略会議を主宰した。同会議は、世界的に不確実性が高まる中、貿易収支の赤字が7カ月連続となっている状況を打開するために立ち上げられた。
尹大統領は「輸出は今日の韓国経済を作りあげた国民の雇用の源泉」だとし、「政府は民間主導、市場中心の成長基調を選択しているが、輸出増進のためには政府の積極的で先制的な支援が必要だ」と述べた。また「長官のみなさんも、海外に出張したり国内で外賓と接見したりする際には、ビジネスイシューを中心にしてほしい」と注文した。
同会議で民間企業は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の電気自動車市場への進出を急ぐため、政府開発援助(ODA)を通じた支援などを提案した。関係省庁の長官は「グリーンODAの拡大」(外交部)、「貿易保険公社などの政策金融機関との資金支援策での積極的な協力」(企画財政部)などを約束した。
尹大統領はこれに先立ち、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者とのオンライン会談で、アジア地域内で電気自動車の完成車を生産するためのマスク氏の「ギガファクトリー」建設計画について、韓国への投資を要請した。これに対しマスク氏は「韓国は最優先の投資候補地のひとつと考えている」とし、「アジアの候補国の人材や技術の水準、生産環境などの投資条件を総合的に検討し、決定を下す予定」だと語ったと大統領室は述べた。尹大統領は、マスク氏が運営するスペースXのインターネット網構築プロジェクト「スターリンク」に言及しつつ、通信・宇宙分野での協力も提案した。