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韓米日「北朝鮮が挑発するほど協力強化」…韓国与党では「南北軍事合意」破棄の声も

登録:2022-10-08 06:09 修正:2022-10-08 07:39
韓米海上演習に3カ国の防衛当局が局長級電話協議
ホ・テグン国防部国防政策室長とイーライ・ラトナー米国防総省次官補(インド太平洋安全保障担当)、増田和夫防衛省防衛政策局長が7日、電話協議を行い、北朝鮮のミサイル挑発に対する共同対応および協力増進案について話し合ったと、国防部が発表した。写真は今月6日に東海で行われた韓米日ミサイル防衛訓練=米国防総省提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射に対応し、韓米および韓米日協力の頻度とレベルが高まっている。韓国の与党からは、北朝鮮が7回目の核実験を行った場合、軍事的敵対行為の終息を相互約束した9・19南北軍事合意を破棄すべきだという声まであがっている。

 韓米は7日、東海の公海上で2日間の合同海上機動訓練を開始した。先月の合同演習後、いったん韓国海域を離れたものの、今月4日に北朝鮮が中距離弾道ミサイル(IRBM)を発射したことを受け、朝鮮半島に再展開した米軍の「ロナルド・レーガン」を中心とした空母打撃群との合同訓練だ。韓米海軍は戦術機動など合同海上訓練を遂行し、済州(チェジュ)東南方面までロナルド・レーガンを護送する作戦を共に実施する。合同参謀本部は「合同訓練を通じて、北朝鮮のいかなる挑発にも対応できる確固たる作戦遂行能力と態勢を持続的に強化していく」と明らかにした。

 これに加え、韓米日は同日、3カ国防衛当局の局長級電話協議を開き、協力を深めることにした。ホ・テグン国防部国防政策室長、米国防総省のイーライ・ラトナー次官(インド太平洋安全保障担当)、日本防衛省の増田和夫防衛政策局長は電話協議で、「北朝鮮が挑発すればするほど、安全保障分野における韓日米3カ国の協力はさらに強化されるだろう」と強調した。3人は最近実施した韓米日対潜水艦戦訓練(9月30日)と海上ミサイル防衛訓練(10月6日)が北朝鮮の核・ミサイル脅威に対する対応能力を向上させたと評価した。

 北韓大学院大学のキム・ドンヨプ教授は本紙に「韓米日軍事協力が名分の上では北朝鮮を前面に出しているが、実際には中国けん制に向けた軍事協力に拡大するための中間過程とみるべきだ」と語った。

 北朝鮮がさらなる軍事行動を起こすとみられる中、韓国の与党では強硬論が強まっている。国民の力のチョン・ジンソク非常対策委員長は同日、フェイスブックの書き込みで「万が一、北朝鮮が7回目の核実験を強行すれば、我々は当然9・19南北軍事合意の破棄を宣言しなければならない」と主張した。9・19南北軍事合意は2018年、文在寅(ムン・ジェイン)当時大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の首脳会談の際に結んだもので、非武装地帯をはじめとする対峙地域での軍事的敵対行為を終息させ、戦争の危険を取り除くという内容だ。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は出勤時の囲み取材で、「北朝鮮が7回目の核実験を強行すれば、9・19軍事合意の破棄も考慮するか」という記者団の質問に対して即答を避け、「韓米日3カ国が外交部・安保室など様々なチャンネルを稼動し、対応策を着実に用意している」と述べた。

 クォン・ヨンセ統一部長官は国会の国政監査で「与党の一部で9・19軍事合意を破棄する問題が議論されている」という共に民主党のパク・ビョンソク議員の質疑に対し「最近の状況は非常に厳しい方向に流れているが、このように状況がはるかに深刻になる中では、韓国政府としても様々なオプションを検討せざるを得ない」と答えた。パク議員が「9・19軍事合意を先に廃棄すれば、国際社会で今後起きる軍事的状況悪化のすべての責任を韓国が負う可能性が高い」と指摘すると、クォン長官は「最悪の状況ではあらゆるオプションを検討する必要があるという原則的な話」だと強調した。

シン・ヒョンチョル、キム・ミナ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1061856.html韓国語原文入:2022-10-07 21:21
訳H.J

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