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文前大統領「南北合意、政権変わっても当然履行すべき」

登録:2022-09-19 01:47 修正:2022-09-19 06:58
平壌共同宣言4周年記念討論会控えて書面で祝辞
2018年9月19日、平壌の百花園迎賓館で平壌共同宣言合意書に署名した後、発言する文在寅前大統領=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が平壌共同宣言と9・19南北軍事合意4周年を迎え、「対話がなければ平和もない」とし、「我々自ら朝鮮半島の平和を築く主導者となり、揺ぎなく進めてこそ、一歩でも前進できる」と述べた。文前大統領が退任後初めて出した公式メッセージであり、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が北朝鮮核関連の国際協力を掲げた「大胆な構想」を示した中、南北主導で朝鮮半島の平和を構築していくべきだと繰り返し強調したのだ。

 共に民主党のユン・ゴニョン議員は18日、報道資料を出して、このような内容を盛り込んだ文前大統領の祝辞を公開した。9・19南北軍事合意4周年記念討論会を翌日に控えて発表した書面での祝辞で、文前大統領は「7・4南北共同声明(1972年)や南北基本合意書(1991年)、6・15南北共同宣言(2000年)、10・4南北共同宣言(2007年)、板門店宣言(2018年)、平壌共同宣言(2018年)などはいずれも厳しい環境の中でも易地思之(相手の立場に立って考えてみること)し、虚心坦懐な対話と交渉を通じて作り上げた歴史的合意」だとしたうえで、「政権が変わっても当然尊重し、履行しなければならない約束」だと強調した。また、「不信の壁が高く、外交安全保障状況が容易ではないのが今の現実だが、我々が状況を悲観せず、主導的立場で乗り越え、切り抜けていく時、初めて平和の道に進むことができる」と呼びかけた。さらに、北朝鮮に対しても「繰り返された合意を見捨ててはならない」と求めた。

 文前大統領は祝辞で、「南と北が初めて非核化案に合意し、非核化に進む実質的なロードマップを提示した」として、当時の合意を評価した。また、その翌年の2019年2月、ハノイで開かれた朝米首脳会談の決裂後、南北関係が膠着局面に入ったことを振り返り、「朝鮮半島に平和を制度化すること、持続可能な平和を定着させることがどれほど困難な課題なのかを痛感させられた」と明らかにした。

 退任後、4カ月以上国内外の情勢に関して発言を控えてきた文前大統領が公式メッセージを出したことで、今後、南北問題をはじめとする懸案に声を上げるかどうかに関心が集まっている。ユン・ゴニョン議員は本紙に「平和問題については与野党がない。前任の大統領として必要な役割があれば当然果たすと思うが、今後については予想できない」と述べた。

 一方、民主党のイ・ジェミョン代表は同日公開された祝辞で、「対北朝鮮強硬論と先制打撃論を主張した尹錫悦政権発足後、朝鮮半島をめぐる軍事的緊張の波が急激に高まった。朝鮮半島の平和の時計が2018年以前に完全に巻き戻された」とし、尹政権の対北朝鮮政策を強く批判した。さらに、「高くついても、戦争をして勝つより平和が望ましい」とし、「平和を守ることを越えて、平和を作り上げ、また築いていける実用的で創意的な戦略を駆使しなければならない」と強調した。

オム・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1059029.html韓国語原文入力:2022-09-18 22:33
訳H.J

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