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「北朝鮮離脱住民の18.5%、韓国移住を後悔…文化の違い・経済的困難が原因」

登録:2022-04-26 06:37 修正:2022-04-26 08:54
ソウル大学統一平和研究院「北朝鮮離脱住民調査事業10年」発表会 
研究陣「困難をもう少し詳しく把握する必要がある」
ゲッティイメージバンク(記事内容とは関係はありません)//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮離脱住民(脱北者)の18.5%が韓国に移住したことを後悔しているというアンケート調査結果が出た。韓国移住を後悔する人々は、文化的違いや心理的寂しさ、経済的問題などで困難を経験すると答えた。

 ソウル大学統一平和研究院は25日、冠岳キャンパスアジア研究所の三益ホールで「北朝鮮離脱住民調査事業10年の分析結果発表会」を開き、2011年から2020年まで毎年直前年度に脱北した北朝鮮離脱住民を対象に実施したアンケート調査をまとめた「金正恩(キム・ジョンウン)政権10年、北朝鮮住民の意識調査」と「北朝鮮社会変動2012~2020」の結果を発表した。

 同日の発表で、北朝鮮離脱住民の韓国適応の実態を分析したソウル大学統一平和研究院のチェ・ウニョン先任研究員は、「韓国に来たことを後悔したことはありますか?」という質問に対し、2017年から2019年までの間に脱北した北朝鮮離脱住民312人のうち18.59%が「そうだ」と答えたと明らかにした。後悔すると答えた人たちは、文化的な違い(84.48%)や心理的な寂しさ(70.69%)、経済的問題(65.52%)などを理由に挙げた。特に、最近脱北して入国した北朝鮮離脱住民は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大でさらに困難を感じていることが調査の結果分かった。2019年に脱北し、2020年に入国した30代の脱北女性は、研究陣との面談で「コロナ禍で外出もままならず、何かやってみたくてもそれができないからもどかしい。北朝鮮にお金も送らなければならないのに、家にこもってばっかりで…将来が見えないから苦しい。ここには親もいないし、親戚もいないし、息苦しくて、寂しくて、ここに来てからずっと泣いてばかりでした」と答えたという。

 韓国住民に対して親近感を持っているという回答の割合は90%に迫ったが、韓国住民が包容的かという質問に肯定的に応えた人の割合はそれほど高くなかった。2010~2019年の間に脱北し、調査時点で韓国居住1年未満だった北朝鮮離脱住民1240人のうち89.92%が「あなたは韓国に住み始めてから、韓国住民にどれほど親近感を感じていますか?」という質問に対し肯定的(非常に親近感を感じる+親近感を感じる)に答えたが、「韓国住民が北朝鮮離脱住民に対してどれほど包容的だと思いますか?」という質問には75.18%が肯定的(非常に包容的+包容的)に答えた。研究陣は「面談に応じた20代の北朝鮮離脱住民の場合、韓国人が『親切だが、仲間に入れてくれない』とし、韓国の人たちは心では差別しているのに、言葉や行動では優しく接することもあると話した」と書いた。

 チェ・ウニョン先任研究員は、「北朝鮮離脱住民支援政策については、全体回答者の87%以上が満足していると答えたが、10年間の傾向では満足度が減少している」とし、「脱北者の自殺率が韓国住民の2倍を超え、最近、北朝鮮離脱住民の北朝鮮再入国を含む脱南現象が増加しているため、北朝鮮離脱住民が韓国で感じる困難をもう少し詳しく把握する必要がある」と述べた。

コ・ビョンチャン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1040310.html?_fr=mt2韓国語原文入力:2022-04-2517:45
訳H.J

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