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「韓国の女性の賃金指標は最下位…インド、イエメン、コンゴなどと並ぶ」

登録:2022-03-08 09:43 修正:2022-03-08 11:14
世界銀行「2022女性の仕事と法」報告書 
24億人の女性が同等な経済的機会を持てず 
韓国70位→61位、点数は4年連続で横ばい
国別の経済的権利の性平等指数。青が濃いほど平等度が高いことを意味する=「2022女性の仕事と法」報告書より//ハンギョレ新聞社

 世界で24億人の女性が男性と同等な経済的機会を得られていないことが分かった。韓国の女性の経済活動と関連した法的地位と権利は、男性を100点とすると85点だったが、下位項目の賃金指標は25点で最下位水準だった。

 世界銀行が国際女性デーを控えて発表した報告書「2022女性の仕事と法」(World Bank's Women, Business and the Law 2022)によると、全世界の女性は男性が享受する経済活動に関する法的地位と権利の4分の3しか持っていない。男性の地位および権利を100点とした場合、女性に与えられた権利は平均76.5点にとどまる。世界銀行は2020年10月~21年10月、190カ国を対象に、女性の経済参加に影響を及ぼす8分野(移動の自由、職場、賃金、結婚、育児、事業、資産、年金に関する権利)についての法と制度を調査し、「WBL指数」を作成した。調査は各国の家族、労働、法分野の専門家と男女平等関連の活動家2千人に対してアンケート調査を行う方法で行われた。

 韓国は総合85点で、190カ国のうち61位。順位は昨年の70位から61位へと上昇したものの、この4年間で85点から変動はなかった。国内で数年にわたり性平等に関する法的・制度的改善が十分になされていないと解釈できる部分だ。

 8分野のうち移動の自由と職場、結婚、資産、年金指標は100点で最高点を得たが、賃金指標は25点で最下位グループに属した。賃金指標は平等な報酬を保障するための法律があるかを調べて算出する。報告書は、「男性と同一労働・同一賃金」を法制化した国は調査国の半分の95カ国と明らかにした。賃金指標で25点がついた国は、中国、日本、インド、バングラデシュ、ウズベキスタン、コンゴ、イエメンなど。育児・事業指標ではそれぞれ80点・75点を得た。

 すべての領域で女性が男性と同等な法的地位を与えられており100点の評価を受けた国は12カ国。ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、ラトビア、ルクセンブルク、ポルトガル、スペイン、スウェーデンがこれに属する。一方、最下位グループにはヨルダン川西岸地区(26.3点)、イエメン(26.9点)、スーダン(29.4点)、カタール(29.4点)、イラン(31.3点)などが挙げられた。昨年、性平等のための法・制度的改革に踏み切った国は23カ国だった。特にアフリカ地域では変化が多かったが、ガボンが女性に対する暴力をなくすための法律を制定するなど、目立つ動きを見せた。ガボンのWBL指数は、昨年の57.5点から今年は82.5点へと上昇した。

女性の経済参加に影響を及ぼす8分野の指標の平均点数=「2022女性の仕事と法」報告書より//ハンギョレ新聞社

 世界的には、賃金・職場・育児指標で最も多くの改革が行われている。報告書は「女性労働者を性差別・性犯罪から保護し、親のための有給休暇を増やし、女性の職業制限をなくすことに重点を置いた改革が多かった」と分析した。そのため、賃金・育児指標は昨年よりそれぞれ平均0.9点、0.7点上昇した。しかし、依然として平均では68.7点(賃金)、55.6点(育児)と指標の中で最も低く、今後もこの分野での改革を継続しなければならないとの評価が出ている。平均が最も高い指標は移動性(88.6点)であり、続いて事業(84.3点)、資産(81.2点)、職場(80.5点)、結婚(80.1点)、年金(73.4点)、賃金・育児の順。

 報告書は「女性が家庭で不平等な位置にいるとしたら、職場で平等になることはできない」とし「政府は女性が自分の潜在力を最大限実現し、男性と同等の機会を持てるよう法・制度的改善の速度を上げなければならない」と強調した。

パク・コウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/1033896.html韓国語原文入力:2022-03-07 18:24
訳C.M

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