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サイバーブリングでの死を繰り返さない…「オンライン暴力防止法」第一歩

登録:2022-02-18 02:31 修正:2022-02-18 17:46
「政府とプラットフォーム業界は憎悪表現を規制すべき」コンセンサス
17日午後、ソウル汝矣島の国会で「放置された憎悪:オンライン暴力、放っておくのか」と題する討論会が開催された=チャン・ヘヨン議員室提供//ハンギョレ新聞社

 先月初め、プロバレーボール選手キム・インヒョクさん(27、サムスン火災ブルーファングス)と、インターネット放送ストリーマーの「ジェンミニム」(本名:チョ・ジャンミ、27)が自殺したことが明らかになり、特定の人物に対する「サイバーブリング(オンライン上でのいじめ)」問題の解決が切実に求められているとの世論が高まっている。「オンライン暴力防止法」を制定し、オンライン上にあふれる憎悪や悪質なコメントにブレーキをかけるべきだという声があがっている。

 民主言論市民連合(民言連)と正義党は17日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会で、「放置された憎悪:オンライン暴力、放っておくのか」と題する討論会を開催した。この日の討論会を主催した正義党のチャン・ヘヨン議員は「第20代国会で別名『ソルリ法』と呼ばれる『悪質コメント防止法』が上程されたが、審議未了で廃案になっている」とし「オンライン暴力が日常に浸透しているだけに、今日の討論会をきっかけとして、市民の安全と尊厳を守るため、第21代国会で『オンライン暴力防止法』を必ず制定する」と述べた。

 討論会の参加者たちは、オンライン上の暴力に起因する弊害が急増しているとし、今後は政府とプラットフォーム業界が憎悪表現の規制に取り組むべきだということに共感を示した。提案者として出席した韓国外国語大学のキム・ミンジョン教授(メディアコミュニケーション学部)は「憎悪表現の増加は全世界的な現象だが、特に韓国では不平等が深刻化し、うっ積した不満と絶望がオンライン暴力として表出されている」とし「最近、日本でもヘイトスピーチ解消法に対して合憲決定が下された。韓国も割れた窓のように放置されている憎悪を立法によって規制すべき」と主張した。漢陽大学言論情報大学院のユ・スンヒョン特任教授は「オンラインプラットフォーム上でふるわれる暴力の形態が名誉毀損、いじめなどへと多様化する中、悪循環を止めるカギは、結局はプラットフォーム事業者の手の中にある」とし「プラットフォーム事業者が社会的責任をもって有害掲示物の積極的な削除措置や経済的利益中断政策の樹立などの自主規制に取り組むべき」と強調した。

 キム・ミンジョン教授は、「オンライン暴力防止法」のような法は表現の自由を制限しうるとの反論に対して、視点を転換すべきだと主張した。キム教授は「『あの子、フェミだって』という発言が当事者にとっては直接的な脅威として迫ってくるように、憎悪表現は単なる表現ではなく『行動』だ。憎悪表現を規制することで萎縮した少数者の声を大きくすれば、むしろ表現の自由はより拡大しうる」と述べた。討論者として参加したメディアオヌルのクム・ジュンギョン記者は「メディアもまた憎悪コンテンツを『非難』と題して拡大再生産しつつ『表現の自由』を強調して反対する。いかなる表現物の規制も慎重に進めるべきだが、メディアについての特別審議なども考慮すべき」と語った。

 討論者として出席した女性現実研究所のクォン・キム・ヒョニョン所長は「インターネットが活発になってからの20年間、韓国社会ではオンライン暴力に対処する問題解決能力は培われていない。インターネットに対する理解度が高い人々を中心として、オンライン暴力規制などの総合的対策を樹立する機関を設立すべきだ」と主張した。

コ・ビョンチャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1031566.html韓国語原文入力:2022-02-17 18:17
訳D.K

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