映画やドラマでは、夫婦喧嘩で膳をひっくり返す場面が登場したりもする。現実でこれをやると、器物損壊罪で処罰される可能性がある。
妻の前に置いてあるおかずとチゲ(汁もの)に唾を吐いた弁護士に対する罰金刑が確定した。食べている物に唾を吐いて食べられないようにする行為は器物損壊に当たる、というのがその理由だ。
韓国最高裁1部(主審:ノ・テアク判事)は26日、器物損壊容疑で起訴されていた弁護士のA氏に対して、罰金50万ウォン(約4万8800円)を言い渡した原審を確定したことを明らかにした。
A氏は昨年4月に、妻が電話しながら食事していることを理由に、悪態をつきながらおかずとチゲに唾を吐き、妻が「唾を吐くなんて汚い」と言うと、再度唾を吐いて食べられないようにした容疑で起訴されていた。
A氏は一審で罰金50万ウォンを言い渡されたが、控訴審では「妻の前に置かれたおかずやチゲは、妻の所有ではなく自分の所有物とも見なせるため、『他人の所有』であるべき器物に対する損壊罪の対象とはなりえない」と主張した。だが司法はこれを否定した。二審は「他人の器物を損壊するというのは、他人と共同で所有する器物を損壊するケースも含まれる。この事件のおかずやチゲなどは、A氏が単独で所有していたとはいえないことは明らかだということを考慮すれば、一審の判断は正当」と判決した。
最高裁もこのような原審の判断を正しいとした。最高裁は、「原審の判断には、上告理由の主張するような、器物損壊罪の『他人の器物』に関する法理を誤解したという過ちはない」としてA氏の上告を棄却し、原審を確定した。