韓国政府が京畿道で実施している新型コロナ在宅治療を全国に拡大するため、在宅治療の対象を大幅に拡大することにした。ワクチン接種率の上昇と共に、新型コロナの重症化リスクも低下する中、「段階的日常回復」(ウィズコロナ)体制への転換に伴い、感染者も症状が重い場合に限り病院で治療を受けるよう医療体系を改編する作業の一環だ。
30日に共に民主党のコ・ヨンイン議員が中央事故収拾本部(中収本)から入手した「在宅治療適用拡大のための主な改善事項」によると、現在、軽症と無症状の小児・青少年と彼らの保護者を対象に制限的に認められている在宅治療対象者の基準を成人にまで拡大し、「入院要因のない軽症、無症状の感染確認者」にまで拡大する案が含まれている。
ただし、入院要因がない場合でも、他人との接触の遮断が困難な住居環境である考試院(簡易宿泊所)の居住者やホームレスまたは健康隔離管理のための意思疎通が困難な場合は、在宅治療の対象から除外することにした。また、接種を完了した70代以上の高齢者と障害者の感染者は、健康な保護者が一緒に居住する場合に限り、在宅治療ができるようにした。中収本はこの案を基に、地方自治体と専門家の意見を反映して在宅治療指針を改正する方針だ。
新型コロナ感染による重症が疑われる症状や、基礎疾患などで在宅治療を受けにくい患者を分類するための基準も設けられた。新型コロナの症状が現れてから、日常生活でも息切れするほどの呼吸困難や意識障害、解熱剤を飲んでも下がらない38度以上の発熱などが発生した人は、在宅治療ではなく病院で治療を受けるように分類した。また、薬物の使用を調節できない糖尿や透析患者、治療中の慢性肺疾患・喘息・心不全・冠動脈疾患者、抗がん治療者と免疫抑制剤投与患者も入院対象となる。この他にも高度肥満(体質量指数30以上)、陣痛を伴った妊婦、小児重症および高危険群も在宅治療対象から除外した。
これまで医療廃棄物に分類し、当日回収・焼却を行ってきた新型コロナ患者が排出する廃棄物も、一般廃棄物に分類して処理できるようになる。在宅治療が終わって3日後に密封し、外部を消毒した後なら、他の一般廃棄物のように同じように廃棄できるようになる。
保健所の業務がすでに逼迫していることを考慮し、地方自治体の状況によって在宅治療患者の管理を地域の民間病院に任せることも可能にした。まず「自治体主導型」モデルは、看護師を雇用して自治体に健康モニタリング専門チームを設け、地域内の民間協力医療機関の医師と協業する形だ。自治体の専門組職は、保健所所属ではなく行政の人員を置くようにする規定も設けられた。この場合、健康保険から民間協力医療機関に電話相談管理料を支払うことにした。また「協力病院指定・運営」モデルは、24時間対応が可能な医療機関を在宅治療協力病院として活用する方式だ。健康保険で患者管理料を支払い、地方自治体の在宅治療管理チームが病院を補助する役割を担う形だ。
政府はこのような方針を先週末、各自治体に伝え、早めに在宅治療体制を稼動することを要請した。政府は第4波以降、希望者を中心に在宅治療を拡大してきたが、秋夕(チュソク、旧暦8月15日の節句)直後に1日3千人以上の新規感染者が発生するなど第4波が広がったことを受け、在宅治療の拡大に拍車をかけ始めた。29日0時現在で首都圏の在宅治療患者は345人で、前日より73人増えた。現在、17市・道自治体のうち14自治体が在宅治療患者管理計画を政府に提出した。中収本は同日、「在宅治療については、現在拡大推進計画を立てており、自治体ごとにも自主的に計画を立てている」と発表した。
専門家らは、自治体の準備状況などを点検し、年齢基準など細部案をしっかり作り上げる必要があると指摘した。京畿道ホームケア運営団長のイム・スングァン京畿道医療院安城病院長は「在宅治療を初めて企画して実行した京畿道でも、数カ月の準備を経て、流行が落ち着いた時に定着させた」とし、「流行が広がる時期に在宅治療を短時間で推進すると、患者管理に不十分な部分が生じる可能性があるので、自治体に十分な準備期間を与える必要がある」と述べた。