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韓国、沈静化しない第4波…防疫措置レベル4の延長を検討

登録:2021-07-20 08:39 修正:2021-07-31 16:37
日曜日の新規感染者数「過去最多」の1252人 
デルタ株の検出率、33.9%に急増 
首都圏以外でも急速な感染拡大続く 
25日の「レベル4終了」の見直し求める声も 
専門家ら「首都圏は最高段階さらに2週間維持し 
首都圏以外は同一段階を適用すべき」
今月19日、仁川国際空港の出国ゲートが閑散としている/聯合ニュース

 韓国で日曜日基準で新型コロナの新規感染者数が過去最多を記録するなど、第4波の勢いが衰えない中、今月25日に解除される首都圏のレベル4の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)をめぐり、韓国政府が頭を悩ませている。首都圏の感染者急増による「バルーン効果」により、首都圏以外で新規感染者の増加幅が首都圏より早くなっている上、デルタ株の検出率まで高くなったことから、一部の専門家の間ではレベル4の距離措置を延長すべきだという声もあがっている。

 19日0時までの24時間で韓国の新型コロナ新規感染者数は1252人で、これまで日曜日に発生した新規感染者基準では最も多い。直前の日曜日である12日0時までの24時間でも1100人で過去最多だったが、これを再び上回った。首都圏の最近1週間の一日平均新規感染者数は995人で、レベル4の距離措置の適用基準の1000人に近い状況だ。ソウルは516人でレベル4の基準(389人)を超えており、京畿道は398人、仁川(インチョン)は81人でレベル3の基準(京畿道268~536人、仁川59~117人)に該当する。首都圏以外での新規感染者は397人で、国内新規感染者1208人のうち32.9%を占めた。

 変異ウイルス検出率も毎週高まっている。最近1週間(11~17日)の懸念すべき変異株の検出率は47.1%で、半数近くになった。特に、全体分析件数のうちデルタ株の検出率が33.9%(1001件中719件)で、前の週より約10ポイント上がった。全体分析はある程度標本調査の性格も持っており、全体感染者3人に1人がデルタ株に感染した可能性がある。

 韓国政府は今月12日から適用されたレベル4の距離措置の効果が今週中に現れるとみている。このため、まだ今週25日に終わる予定の首都圏の距離措置レベル4の後続措置について、発表の日程も決められず、毎日首都圏の地方自治体と協議を続けている。中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は同日のブリーフィングで「距離措置による調整効果は1週間から10日ほど時差を置いて現れるため、今週に減少に転じるかどうかがとても重要だ」とし、「新規感染者の増加幅と傾向を注視しながら、今後の距離措置の段階を考えなければならないだろう」と述べた。

 ただし防疫当局が「新規感染者数の曲線がピークに達して下がり始めても、依然として危険だ」という警告のシグナルを発しており、政府が簡単に距離措置の緩和を決定するのは難しい状況だ。中央防疫対策本部の クォン・ジュヌク第2副本部長は16日のブリーフィングで「ピークを過ぎて下がり始めた場合でも、現在、発生規模があまりにも大きくなっており、断続的に大規模のクラスターが発生する可能性もある」とし、「デルタ株が間もなく全体の流行を主導し、さらにデルタよりも強力な変異株が登場する可能性もある。時間の経過とともに、重症者や死亡者も増える恐れもあり、若年層から死亡者が発生することもあり得る」と述べた。19日、「当面の最大の課題は強力な防疫措置を“短期集中”で終わらせること」だとした文在寅(ムン・ジェイン)大統領の発言が守られにくい状況であるわけだ。

 専門家らはレベル4を引き続き維持しながら、自営業者に十分な被害支援金を与えることを提案している。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)は「もし首都圏の距離措置が緩和されれば、再び感染が急激に拡大する可能性がある。来週からレベル4の措置をさらに2週間以上維持する必要がある。首都圏以外への拡散を防ぐために、首都圏以外の地域における距離措置の段階も(防疫強化体制で)同一にしなければならない」とし、「8月末には50代の1回目のワクチン接種が終わるため、9月からは段階を小幅に引き下げることも可能かもしれない。その代わり、政府は自営業者など被害を受けた人々に対し、積極的に損失補償を行うべきだ」と指摘した。

 しかし、政府の被害支援金が実際、自営業者たちの被害に比べて少ない水準であり、ワクチン接種率が上がっても拡散の勢いがなかなか衰えない可能性もあるため、当面の防疫強化よりは長期戦略について考えるべきだという声もあがっている。対外経済政策研究院のチャン・ヨンウク副研究委員は「流行の規模がそれほど大きくないことから、急場をしのいだのではないかと思う。致命率も0.3%程度で、予防接種効果が現れている」とし、「首都圏はレベル3に引き下げるべきだ。政府が首都圏でレベル4を延長しても、2週間以上延長するのは効果的ではない」と述べた。チャン副研究委員はさらに、「1回目の接種率が70%に近い英国で多くの感染者が確認されたように、韓国でも冬になると、全国民の接種率が70%以上でも感染者が発生するかもしれない。これから緩和戦略へと観点を変えていかなければならない」と述べた。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1004198.html韓国語原文入力:2021-07-2002:46
訳H.J

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