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韓国の新規感染者76%はワクチン未接種の20~50代

登録:2021-07-16 06:25 修正:2021-07-16 07:34
感染拡大スピードに追いつけないワクチン供給 
1回目の接種終わった人は31%、完了した人は12%に過ぎず
今月14日午前、ソウル麻浦区の予防接種センターで、市民らがワクチン接種のために待っている/聯合ニュース

 「2150万回分。1回目の接種者30.8%、接種終了者12%」

 15日午前0時現在の韓国の新型コロナワクチン予防接種の「成績表」だ。2月26日に韓国で初めて接種が始まり、同日で140日目になるまで、導入が完了したワクチンは2150万回分に止まる。まだワクチン接種を1回も受けていない韓国国民は全体の70%に近く、接種完了者の規模は15%にも達していない。このような状況で第4波が押し寄せ、連日新規感染者数が過去最多を記録し、強力な社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を再び適用するようになり、韓国政府の先制的ワクチン導入の失敗問題がすべての状況を招いた根本的な原因に挙げられている。

 同日、中央防疫対策本部(防対本)の集計結果によると、新たに感染が拡大された1600人のうち、60歳以上は7.5%(120人)に止まっている。1回以上の接種者が大半(1回以上のワクチン接種率75歳以上84.5%、70~74歳83.0%、65~69歳81.8%、60~64歳78.9%)の高齢層では、感染者があまり発生しなかった。一方、まだ1回も接種を受けていない20~50代が新規感染者の76.38%(1222人)を占めている。防対本は13日、「6~7月の感染経路を分析したところ、同一年代の感染者と接触して感染が確認された割合が20~30代19.9%、40~50代23.5%で特に高かった」とし、「現在の感染拡大においては、同年代間の交流による伝播が目立つ」と分析した。

 このようにまだ新型コロナワクチンの接種を受けていない若年層を中心に再拡散の流れが作られたことで、7月から防疫を徐々に緩和し、日常回復への一歩を踏み出そうとした政府の計画はあっという間に水の泡となった。相次いだ政府の「防疫緩和」メッセージと相反する内容の、新しい距離措置における最高段階のレベル4が首都圏で施行されたことを受け、虚しさと怒りを露わにする人も増えている。今月14日夜11時30分ごろにはインターネットカフェやカフェ、飲食店など22の自営業者団体で構成された「新型コロナ対応全国自営業者非常対策委員会」(非対委)がソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)汝矣島公園前で車約750台(非対委推算)を動員するデモを行い、損失補償の支給とレベル4の距離措置に伴う集合禁止措置の撤回を要求した。警察は違法デモかどうかを判断するために、現場資料の分析と法理検討に着手したが、非常対策委は同日夜にも2回目の車両デモを予告するなど、対立が高まっている。

 悪材料は重なり、12日には55~59歳のモデルナ製ワクチンの事前予約が、導入が確定した量に合わせて185万人の「先着順」で打ち切られる場面もあった。事前に告知されなかったことで非難が殺到したことを受け、政府は急いで14日午後8時から事前予約を再開し、同日正午まで70万542人が追加予約を行った。これによって55~59歳の予約率は71.3%まで上昇した。

 こうした混乱が繰り返される根本的な背景には、極めて遅い「ワクチン供給スピード」がある。政府はこれまで、今年確保したワクチンの量が、全国民の接種に十分な1億9300万回分だという点を繰り返し強調してきた。 しかし、このうち今年上半期までに導入されたワクチンは1862万回分で、全体の10%にも及ばない。7月には計1千万回分が導入される予定であるが、15日が過ぎた現在、届いたのは288万回分だけ。そのため、今年5月の1カ月間、1回目の接種者が全体の7%台で足踏み状態になる接種休止期があり、最近も先月19日に29.27%だった1回目の接種率が同日0時にも30.84%に上昇するなど、事実上の接種空白状態が続いている。

 特に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨年末「導入開始時期を第2四半期からに繰り上げた」と明らかにしたモデルナ製ワクチンの実際の供給スピードは、文大統領の発言とは裏腹の結果となって表れている。モデルナ社と契約した数は計4千万回分だが、6月1日の5万5千回分を皮切りに、これまで4回にわたって導入されたのは86万2千回分だけだ。推進団はこの日も「8月末まで(アストラゼネカ製、ファイザー製、モデルナ製、ジョンソン・エンド・ジョンソン製の)ワクチン3500万回分がさらに導入され、9月には4200万回分、第4四半期には9000万回分が導入されるだろう」という見通しばかりを示し、「ただし、ワクチンごとの詳しい供給日程は製薬会社との秘密維持協約のため公開できず、日程が確定すればすぐに公開する」という発言を繰り返した。

 契約されたワクチンの導入時期がこのように下半期に集中し、第4波への対応も強化された距離措置に頼らざるを得なくなったものとみられる。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)は「現在の状況では、50歳までに1回目の接種を完了し、1回目の接種者が60~70%程度になる8月末や9月初めになってようやく防疫を一部緩和し、新型コロナに対応できるだろう」とし、「初期にワクチン導入が遅れたことが第4波への対応を困難にする根本的な原因になっている」と指摘した。

チェ・ハヤン、キム・ジフン、ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1003748.html韓国語原文入力::2021-07-1602:40
訳H.J

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