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韓国首都圏の「デルタ株」、アルファの2倍以上…3人に1人は変異株に感染

登録:2021-07-12 02:44 修正:2021-07-12 08:26
「1400~1500人台にまで増加の可能性」
コロナ感染者数が3日連続で1300人台を記録した中、11日午後、ソウルの江西区保健所の選別診療所で、検査を受けるために市民が並んでいる/聯合ニュース

 先週、首都圏で新型コロナウイルスのデルタ株がアルファ株の2倍以上検出されたことが明らかになり、デルタ株が最も主な変異種となる「優占化」の時期が、防疫当局の予測より早まる可能性が提起されている。土曜日だったため検査件数が少なかったにもかかわらず、感染者数が3日連続で1300人台を示すなど、第4波の拡大は弱まる兆しを見せていない。

 中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は11日のブリーフィングで、「各種変異ウイルスは約3分の1から検出されており、まだ過半数の優勢種にはなっていない」とし、「しかしデルタ株が徐々に増加してアルファ株より多く検出されており、懸念される部分でもある。首都圏では先週、デルタ株がアルファ株の2倍以上検出されている」と述べた。

 中央防疫対策本部の説明によると、11日午前0時現在の過去24時間以内に新たに確認された感染者の数は1324人で、3日連続で1300人台を記録した。土曜日だった10日の検査総数は7万4585件で、平日だった9日の12万2145件に比べて39%ほど減少しているにもかかわらず、感染者数は54人しか減っていない。週末には感染している可能性の高い有症状者が検査を受ける割合が高く、平日より陽性率(検査件数に対する陽性者の割合)が高い傾向があるということを考慮しても、少なくない感染者が確認されたことになる。このため、検査減少効果が消える今週半ばからは、さらに多くの感染者が確認されることが懸念される。

 特に首都圏では今月7日から毎日900~1000人台の感染者が確認されており、この日の新規感染者も964人だった。デルタ株がこの拡散を主導しているのではないかとの懸念も提起されている。チョン・ウンギョン疾病管理庁長が8日に「デルタ株が8月中に優占化する可能性も排除できない」と述べているが、この時期が早まる可能性も高まっている。

 加えて、非首都圏地域で発生した感染者の占める割合も、9日から3日連続で20%台(22.1%→22.7%→24.7%)と徐々に増えている。直近の1週間(4~10日)の1日あたりの平均感染者数も、首都圏は799人で前週より267.7人の増、非首都圏は193.4人で前週より123.7人の増となっている。このため、夏休みシーズンに加え、12日から首都圏に新しい社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)で最も厳しい段階であるレベル4が適用されることで、非首都圏に風船効果が発生するのではないかという懸念も出ている。キム・ブギョム首相はこの日開かれた中央災害安全対策本部の会議で「首都圏以外の地域も決して緊張の糸を緩めてはならない。全体の感染者のうち非首都圏が占める割合が今日は25%に達した。特に首都圏に近い忠清地域で感染者が増えている」とし「一歩早い対応で拡散を初期に遮断できるよう、自治体の首長には責任を持って先制対応に当たるようお願いする」と述べた。

 感染者数が急速に増えたことで、感染経路を調べる疫学調査が感染者数の増加に追いつかないという現象も生じている。先月28日から前日までの2週間で確認された1万2975人の感染者に占める、感染経路の確認されていない「調査中」の人の割合は30.7%(3981人)。これは、防疫当局が関連統計を取り始めた昨年4月以降、最も高い数値だ。自己隔離状態で感染が確認された人の割合を示す「防疫網内管理比率」も1カ月前(6月13~19日)の47.1%から、最近の1週間(4~10日)は36.9%と、10ポイント以上低下している。

 これを受け大統領府は、12日午後に大統領主宰でキム・ブギョム首相、ソウル市のオ・セフン市長、京畿道のイ・ジェミョン知事、仁川市のパク・ナムチュン市長、チョン・ウンギョン疾病管理庁長が出席する「コロナ対応首都圏特別防疫点検会議」を開き、早期に首都圏の状況を安定させる方策を議論する予定だ。

 高麗大学保健大学院のチョン・ビョンチョル教授(予防医学)は「現在の感染者数の規模は1週間前の流行状況を反映するもので、12日からレベル4を実施しても直ちに患者数が大きく減ることはないだろう」とし「梅雨で屋内活動が増えれば感染者が増えるのは普遍的な現象で、感染者数が1日1400~1500人になるまで増え続ける可能性もある」と述べた。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)は「レベル引き上げ効果は1~2週間後に本格的に現れる傾向があるため、今週は1日に1500~1600人の感染者が出る可能性があると考える」とし「レベル4適用期間の2週間が過ぎても簡単には1000人以下にならないと思われるため、防疫を緩和するのは予防接種率が高まる8~9月とならざるを得ない」と述べた。

キム・ジフン、ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1003072.html韓国語原文入力:2021-07-11 18:57
訳D.K

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