韓国国内の技術により開発された静止軌道環境衛星が観測したアジア地域の空気質の映像が初めて公開された。ソウルなどの大都市と火力発電所がある工業団地などで、大気汚染物質の濃度が高く現れた。
18日、環境部と科学技術情報通信部、海洋水産部は、「千里眼2B」号に装着された静止軌道環境衛星から観測したアジアの空気質の資料を初めて公開した。環境部や科学技術情報通信部などは、2008年に粒子状物質(PM2.5など)やオゾン、二酸化窒素、亜硫酸ガスなどの大気汚染物質を観測するための環境衛星事業を推進し、3月6日に目標の軌道に進入させた後、試験運行に突入した。
千里眼2B号が9月9日に観測した映像によれば、ソウル、北京、瀋陽、名古屋、大阪など車両移動が多い大都市と火力発電所などで、二酸化窒素の濃度が高く現れた。二酸化窒素は、主に工場と自動車から排出される代表的な粒子状物質の原因物質の中の一つだ。
日本の西之島の火山爆発時に発生した高濃度の亜硫酸ガスが、北太平洋高気圧の気流に乗って朝鮮半島の近くまで移動した様子も、8月6日に環境衛星により観測された。2013年11月、日本の東京の南方1000キロメートル海上にある西之島で、海底火山の噴火により直径約200メートル、海抜約20メートルの新しい陸地が生じたが、この火山は8月頃まで噴火中だと確認されている。これとともに、中国に端に発した高濃度の粒子状物質が朝鮮半島に移動する様子と、中国東北部や日本の高濃度オゾン層も観測された。
環境省のチョ・ミョンネ長官はこの日、「今回公開された映像で確認できるように、空気質の問題は特定の国家ではなく北東アジア共通の問題」だとしながら「中国との二国間協力はもちろん、多国間協力も強化するなど、多層的な協力の構図を作っていく」と明らかにした。環境衛星「千里眼2B」は今後10年間、約3万6000キロメートル上空からアジア全域の大気汚染物質を観測する計画だ。