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韓国で20~30代の新型コロナ感染者が30%突破…静かな感染拡大への懸念高まる

登録:2020-11-14 08:37 修正:2020-11-14 09:29
20~30代を通じて脆弱施設に広がる恐れも 
修学能力試験、年末年始を特別防疫期間に指定
今月12日、感染者が発生した江原道麟蹄郡北面地域で保健当局が大々的な防疫活動を行っている/聯合ニュース

 13日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者が191人発生し、約2カ月ぶりに200人に迫った。韓国政府は「近いうちに、1.5レベルへの社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の引き上げを検討する状況になりかねない」として、懸念を示した。これを受け、新型コロナが流行の兆しを見せている地域を「防疫支援地域」に、大学修学能力試験(韓国のセンター試験、12月3日)や年末年始など、危険度が高まる期間を「特別防疫期間」に指定することにした。

 中央防疫対策本部(防対本)は同日0時基準で、新規感染者数は国内発生163人、国外流入29人だと発表した。これはサラン第一教会や光復節集会など首都圏の集団感染の影響が続いた9月4日(198人)以来最高水準だ。大規模な集団感染が発生していないにもかかわらず、知人や同僚との会合や会食など日常的な場面で静かな感染拡大が続いている。ユン・テホ中央事故収拾本部防疫総括班長は同日の定例ブリーフィングで、「現在の患者の増加傾向が続けば、近いうちにソーシャル・ディスタンシングの段階の引き上げ基準を満たす恐れがある」と述べた。

 同日、首都圏では療養施設で追加の感染者が発生するなど、113人の患者が増えた。この傾向が1週間続くと、首都圏におけるソーシャル・ディスタンシングの段階がレベル1.5へと引き上げられる可能性がある。ソウル東大門区(トンデムング)エース希望ケアセンターや京畿道軍浦市(グンポシ)の医療機関、安養市(アニャンシ)の療養施設に関し、それぞれ12人(昼12時基準)と11人が隔離中に感染が確認された。非首都圏でも感染者が増えている。最近、小規模な集団感染が発生した江原道だけで23人が増加した。

 年齢別に見ると若年層の感染率が高まっており、いわゆる「静かな感染拡大」が広がっているのではないかとの懸念が高まっている。防対本のクォン・ジュヌク副本部長は前日のブリーフィングで「感染者全体のうち、20~30代の割合が9月には22%水準だったが、今月現在31.4%へと高まった」と述べた。無症状の感染者が多い20~30代の患者を通じて、新型コロナが高危険群の密集する施設へと広がる状況を防疫当局は最も懸念している。

 中央災害安全対策本部(中対本)は同日、精密防疫推進策について議論した結果、まず高危険群保護のため、感染脆弱施設を集中的に管理することにした。年末まで、療養病院などの利用者と関係者に対するCOVID-19検査を首都圏は2週間おきに、非首都圏は4週間おきに実施する計画だ。また、最近の集団感染の発生状況、患者の増加推移などを考慮し、流行の兆しがある地域を市郡区単位に指定し、集合禁止などソーシャル・ディスタンシングを弾力的に強化できるようにする計画だ。修学能力試験や年末年始などは、期限付きの特別防疫期間に指定し、必要な場合は営業時間の短縮や集合禁止など、強力な予防措置を取ることができるようにした。

 中対本は10月22日から2週間、療養病院(1438カ所)、療養施設(5996カ所)、精神病院(418カ所)で防疫規則が順守されているかを調査した結果を同日発表した。療養病院の場合、感染の疑いのある患者の隔離のための予備病室の動線設定が足りないところが全体の9.9%、感染者移送計画を立てていないところは8.1%だった。療養施設は従事者の代替人員が確保されていない所(42.2%)がかなり多く、空間が狭いか、疑いのある患者の隔離空間が確保されていない所(16.2%)もあった。精神病院の場合、入院室と隔離室に個別トイレを設置していない所がそれぞれ56%と63%に達した。

ソ・ヘミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/969886.html韓国語原文入力:2020-11-1402:33
訳H.J

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