「経営権違法継承疑惑」の捜査を受けているサムスン電子のイ・ジェヨン副会長の弁護団は10日、「社会的に注目されている事件で、国民の参加により起訴の可否を審査しようとする捜査審議制度の趣旨にサムスン事件は最適だ」という意見書を検察の付議審議委員会に提出した。
イ副会長の弁護団は付議審議委員会の開催を前日に控えた10日、完成した30ページの分量の意見書で「この事件を審議しないとするならばどんな事件を審議できるのか」とし、捜査審議委員会への回付の必要性を強調した。11日に開かれる検察の付議審議委員会は、同事件を最高検察庁の捜査審議委員会に回付するかどうかを決める。弁護団は意見書で「公訴維持が不可能な事件を強引に起訴することを防ぐというのが制度の趣旨」とし、「当事者が審議を申請したのに拘束令状まで請求して審議さえ回避するのであれば、一体なぜこのような制度を設けたのか」と書いた。イ副会長側が捜査審議委員会の召集を要請したにも関わらず、捜査チームが拘束令状を請求したことに、強い遺憾を表明したのだ。弁護団はまた「検察が容疑立証に自信があるのなら、捜査審議委員会の審議をなぜ避けようとするのか」とし、審議委員会の召集を繰り返し要請した。
弁護団はまた、基本的事実関係が疎明されており▽被疑者の責任の有無およびその程度は裁判の過程で十分な攻防と審理を経て決めるのが妥当だとする裁判所の令状裁判部の令状棄却の理由が、「拘束事由に対する疎明が足りないということだけであって、起訴する事案だという判断ではない」と主張した。弁護団は続いて「令状棄却の理由の主要な内容は、『合併とサムスンバイオの会計処理』の過程の『基本的な事実関係』があったということは分かっても『被疑者(イ副会長)の刑事責任があるかは分からない』ということで、これは『犯罪事実に対する疎明不足』を遠回しに表現したもの」だと付け加えた。
検察は、捜査審議委員会の召集は不必要であるという内容を書いた意見書を付議審議委員会に提出する計画だ。11日に開かれる検察の付議審議委員会が同事件を最高検察庁の捜査審議委員会に回付する決定を下せば、捜査審議委員会は15人の委員で構成された懸案委員会を設置し、「起訴および捜査継続の可否」を審議することになる。